記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

登場人物の個性が溢れかえっている漫画『概念ドロボウ』

ぼくは大抵、漫画を読むときはとりあえずKindleを開いてジャケ買いをしていますが、Kindle(Amazon)側もなかなかな精度で作品をレコメンドしてくるんですよ。

そんな中で『エンバンメンズ』『ジャンケットバンク』と読んでいたら、作者 田中一行さんの作品『概念ドロボウ』に出会ったわけです。

ちなみにWikipediaで調べてみたら、発表された順番は『エンバンメンズ』→『概念ドロボウ』→『ジャンケットバンク』でした。

作品紹介
ここは数多の強奪者(=ドロボウ)が跋扈する街。『エンバンメイズ』の作者が描く、向かうところ盗っ人だらけの異能活劇!
欲望、勇気、魅力、道徳、まごころ……、 人の中にある「カタチの無いもの」を盗まれた時、 人はどうなるか? 世の中はどうなるか? ここは数多の強奪者(=泥棒)が跋扈(ばっこ)する街、 私立探偵・如月ウロは誰よりも巧く、盗む! 『エンバンメイズ』の作者が満を持して放つ 向かうところ盗っ人だらけの究極異能活劇!
(アフタヌーン公式サイトより引用)


設定と謎解きの面白さ

ぼくが読んでいて、まず面白いなと思ったのが、《概念》を盗めるという設定です。

《概念》という言葉を日常で使うことはあまり多くはないですが、これは感情とも違い、思想的なことであり、やっぱり《概念》は《概念》でしかないんだと思います。そして、ここを深堀しようというのが非常に面白いわけです。

こんな感じで。

画像1
画像2

『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用

人から何の《概念》をとったら(盗んだら)、こうなるのでしょうか?というクイズを解いている気持ちになります。


社会に馴染もうとすること、
個性を押し殺すこと

次に、これは作者田中さんの作品ならではなのかもしれません。毎度のことながら登場人物の個性が溢れかえっております。

でも1つだけ、毎回そうだなと思うことが。

個性という意味で登場人物たちは変わっていると思いますが、変わっているというのはあくまで、ぼくたちの固定観念なんだろうなと。

たぶん、ここでいうところの主人公ウロの特徴は何でも物事をシンプルに、そして偏見なく、本当に無機質な物体、事象として捉えること。

つまり、自分ならではの物差しがしっかりしているんだろうと思います。

こんな感じで。

画像3
画像4
画像5


画像6

『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用

この物差しが欠けている、またはその質によって今度は逆に人に流され、自身の存在意義が問われることにもなりかねないですよね。

先入観などもそういった類でしょうか。

こうしてウロの前では「一般的にはそれ」といった内容でも、彼自身のロジックで語られていきます。

画像7
画像8
画像9

『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用

「これが良いことなのか?」「それは社会に適応しやすいことなのか?」という部分においては、ぼくは違うのかなと思っちゃいました。

ただ【社会に馴染もうとする】とは、そもそもそれが【個性というものを押し殺す】という意味なのかもしれないなと。

自分はクリエイターを抱えているが故に、余計にその部分とは近いものがあり、改めて《概念》から主人公の考え方、そこから派生して個性というところまで勝手に考えが及んだ、そんな漫画でした。

こういったニュアンスが好きな方におすすめです。

そしてもちろん、作品として事件を解決していく部分においても「どの概念をドロボウされたのか?」というところから紐解いていってくれる面白い漫画でした。


それではまた明日!


最後に。
読んで頂きありがとうございます。
そして読んだということで「スキ」「ハート」をポチってください。人間リアクションは大切です。

そしてお知らせ。
SNSはやめましたが、FOLLOW MEでは更新してます。よければこちらから。買ったもの、日々思ってることを気楽につぶやいてます。また映画についてのレビューはFilmarksを利用してますので、よけれはこちらも。

ここから先は

0字

いままで書いてた漫画についてのレビューをスタートさせます。(2021年11月より) 漫画をレビューした後、良かった、コメントしたいという…

良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。