登場人物の個性が溢れかえっている漫画『概念ドロボウ』
ぼくは大抵、漫画を読むときはとりあえずKindleを開いてジャケ買いをしていますが、Kindle(Amazon)側もなかなかな精度で作品をレコメンドしてくるんですよ。
そんな中で『エンバンメンズ』『ジャンケットバンク』と読んでいたら、作者 田中一行さんの作品『概念ドロボウ』に出会ったわけです。
ちなみにWikipediaで調べてみたら、発表された順番は『エンバンメンズ』→『概念ドロボウ』→『ジャンケットバンク』でした。
設定と謎解きの面白さ
ぼくが読んでいて、まず面白いなと思ったのが、《概念》を盗めるという設定です。
《概念》という言葉を日常で使うことはあまり多くはないですが、これは感情とも違い、思想的なことであり、やっぱり《概念》は《概念》でしかないんだと思います。そして、ここを深堀しようというのが非常に面白いわけです。
こんな感じで。
『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用
人から何の《概念》をとったら(盗んだら)、こうなるのでしょうか?というクイズを解いている気持ちになります。
社会に馴染もうとすること、
個性を押し殺すこと
次に、これは作者田中さんの作品ならではなのかもしれません。毎度のことながら登場人物の個性が溢れかえっております。
でも1つだけ、毎回そうだなと思うことが。
個性という意味で登場人物たちは変わっていると思いますが、変わっているというのはあくまで、ぼくたちの固定観念なんだろうなと。
たぶん、ここでいうところの主人公ウロの特徴は何でも物事をシンプルに、そして偏見なく、本当に無機質な物体、事象として捉えること。
つまり、自分ならではの物差しがしっかりしているんだろうと思います。
こんな感じで。
『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用
この物差しが欠けている、またはその質によって今度は逆に人に流され、自身の存在意義が問われることにもなりかねないですよね。
先入観などもそういった類でしょうか。
こうしてウロの前では「一般的にはそれ」といった内容でも、彼自身のロジックで語られていきます。
『概念ドロボウ』(田中一行/講談社)1巻より引用
「これが良いことなのか?」「それは社会に適応しやすいことなのか?」という部分においては、ぼくは違うのかなと思っちゃいました。
ただ【社会に馴染もうとする】とは、そもそもそれが【個性というものを押し殺す】という意味なのかもしれないなと。
自分はクリエイターを抱えているが故に、余計にその部分とは近いものがあり、改めて《概念》から主人公の考え方、そこから派生して個性というところまで勝手に考えが及んだ、そんな漫画でした。
こういったニュアンスが好きな方におすすめです。
そしてもちろん、作品として事件を解決していく部分においても「どの概念をドロボウされたのか?」というところから紐解いていってくれる面白い漫画でした。
それではまた明日!
最後に。
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