『恋は雨上がりのように』は心を落ち着けたいときにおすすめのマンガです。
週の真んなか水曜日ということで、今日はマンガの話です。ほんのり甘いラブストリー『恋は雨上がりのように』。映画化もされた作品ですよね。
原作は10巻のマンガなんですが、簡単に言ってしまうと「女子高生がおっさんに恋をする話」です。
伝わらない気持ち
店長には10円ハゲがあったりもするんですが、女子高生は綺麗めな方なんですよ。それもあって、店長のことを超威圧してしまったりします。
店長は橘さんをどう思っているかというと...
「彼氏かあ」「そういう年齢だな」って、ボーッと自分を重ねたりするんです。こうしてですね、ちょっとずつ物語は進んでいって。伏線もほのめかされていくんです。
ここです。見てください。
橘さんは怪我をしています。そして、後輩の登場です。
橘さんは陸上部だったんですね。まさにって感じの展開です。
そして、2話目は店長ですよ。
さらに
店長には息子さんもいらっしゃると。そして、橘さんは店長の息子(勇斗くん)にリコーダーを教えてあげることに。
そこで、知るんです。
で、ここでもちょっと橘さんは喜んでいるんですけど
店長には伝わらないんですね。でも橘さんは、学校で好きなタイプの話を振られても
ブレることなく店長のことが好きです。こんなことを、ずーっと繰り返していくんですよ、この物語は。それが、7巻まで進むとですね
重なりはじめる2人
店長は昔、小説を書いていたことが明らかになります。店長にもやり残したことがあるんですね。
橘さんも、陸上との距離を掴みかねていたり。
それぞれの想い
そんな、2人はですね。すこーしずつ、すこーーーしずつ、近づいていきます。
そして、迎えた当日。
可愛いあきらちゃんになっちゃったりして。
このマンガ終始いいのがですね、恋愛といってもチューしまくってとか、エッチしまくってとか、そういうことじゃないんです。
少しずつ少しずつ動いていく関係性。
そして恋愛が主なのかというと、そこもまた違う。
店長にはお店と家族が、橘さんには高校生活があります。なにより、やめちゃった陸上っていうものも残っています。
そんな2人の距離が近づくきっかけ、共通の存在が勇斗くんです。可愛い勇斗くんのお誕生日をお祝いするために「こうやって飾り付けをしようか」と言い合ったり。
でも、手を取り合った後に店長が「ごめん」って謝ったりとか。いいですよ、このちょっとほんのりした感じ。
あと、ここ。勇斗くんのためにケーキを取りに行ったのに
で結局、手作りになると(笑)。それから、息子の誕生日ということで、
やっぱり店長も昔のことを思い出しちゃったりするんですよ。ここで、父親としての一面を感じますよね。橘さんと陸上部の間にも動きがあります。
合同練習で他校の生徒が気にするくらい、橘さんは実力者だったんですね。そこからの、ここです。
こういうシーンが出てくるんです、ちゃんと。綺麗なんですこのマンガは。この勢いで、最終巻の話もしちゃいます。
ついに核心に迫る
10巻で店長は
もう一度書きはじめているんです。そこへ
橘さんが来ます。
ついに、2人きりです。
ぼくは、ずっとこのマンガに期待していたことがあるんです。
これがもしTVドラマだったら、主人公が45歳の人と女子高生でしかもバツイチだった場合、この格差を埋めて幸せになっていくストーリーになると思うんです。
だから「それをどう乗り越えていくんだ」っていうのを、ぼくはずっと期待しながら読んでいました。
そこさえ乗り越えられたら「もう最終的にそうなるんでしょ」みたいな感じがするじゃないですか。そういうモヤモヤを抱きながら、ずっとこの葛藤しながら、これを読んでいたんですけど。
こういうシーンが好きなんですよね。
すんって。
── 鎌田さんのギャップですね。(聞き手:Erina)
そうっすか?
── そう思います。派手な必殺技の描写に弱かったりする一方で、こういった情緒的なシーンにも惹かれるところです。
なるほど、それはありますね。ぼくは意外と繊細ってことですよ(笑)。
── どうして、ちょっと卑下したような言い方をされるんですか(笑)。たしかに、この作品をおすすめされたのは意外でしたが。
いや、なんか。心を洗われたいときってあるじゃないですか。そういうときにいいんですよ『恋は雨上がりのように』。
このコマを見てください。
やっぱり純度が高いんですよ、女子高生っていうのは。高校時代っていうのは、生きてるって感じがしますよね。
── そうですね。「娘の友達」とはまた違ったベクトルだと思いました。
あれは、女子高生のずるさが出てますからね(笑)。
感情<シチュエーション
他にも印象的なシーンがありまして。店長は感情っていうよりは、シチュエーションで動くんですよ。
── 短絡的な表現になってしまうんですが、すごく男性的な感じがします。
分かる。いろんなものを飛び越えて、「目の前にこんな可愛い子がいたらギュってしちゃうな」みたいな。で、あとで「どうしよう」ってなる、ボーンって。そういうのはあると思うんですよね。
── 感情移入はされましたか?
この作品はしないですね。遠目から見て終わってますね(笑)。
── 美しいものを遠目から見ていらっしゃったんですね(笑)。
そうそうそう。
── これは感情移入しないからこそ、いいのでしょうか。近しい経験があると、美しく見えるかは怪しい気がしてきました。
生々しいかもしれないですね(笑)。
ラストシーンへ
最後、店長が車に乗って帰ろうと促すんですね。
でも、「嫌です。」と。そこで、店長がなんと返すかというと
そして、
で、泣いちゃうんです。「走りたい」って。
そして、帰りのシーンなんですが。いいですよね、ここも。
このプレゼント、これが最後に効いてくるんですよ。
ここからはラストへ向かう回想シーンです。
一緒に働く前の2人。
ぱっと手品をするんです。
というのが、2人の出会いだったんですね。そして、このコマです。
まさに、『恋は雨上がりのように』ですよ。そして、最終話で橘さんはは陸上部として大会に復帰しています。
一方、店長はですね。
手紙も読まないでいるんです。そして、ラストを迎えると。なんて綺麗なんだ。
このマンガは心洗われたいときに読むと、アジャストされるんです。
── こうやってお話を伺っている間にストーリーへ引きこまれすぎてしまい、あまり鎌田さんの言葉を聞き出せていないような気がしてきました。
いいんですよ、それぐらいが。作品を傷つけたくないです。そうはいっても、なんだろうな、ぼくの言葉でいうと...
もともと「恋愛マンガも読むんですね!」って言われたときがあったんですけど、結構ガンガン読みます。例えば、『花より男子』とかふつうに読むし。『恋愛カタログ』とか。
── 『Paradise kiss』も紹介されてましたよね。
そうそう。恋愛マンガは「なんかちょっと、キュンキュンしたいんだけど」って気分のときにおすすめしてもらっていて、その流れで読んだりします。
それでいうと『恋は雨上がりのように』は『娘の友達』とは違って、恋愛にならないのが逆にいいなと。高校生活って、やっぱり眩しい日々じゃないですか。そういうのが見れるのが、やっぱりいいなと。しみじみ思います。
綺麗に完結するし、タイトルにちなんだストーリーになっているし、かつ付き合わないで終わったというのがいい。
素晴らしい。
(ヘッダー画像引用元:【恋は雨上がりのように】公式)
って、かんじですね!非常に淡い気持ちになりましたね。冒頭に書いてますが10巻で終わるのでぜひ読んでほしいです。
最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
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