『I'll〜アイル〜』
水曜日ですね、今日おすすめするマンガは『I’ll〜アイル〜』です。
単純に言うと「高校生のバスケットボールのマンガ」なんですが、ぼくはこの世界観がすごい好きで、読み直さなくても語れるくらいだったりします。
バスケマンガ
『SLAM DUNK』や『黒子のバスケ』のように、バスケがテーマのマンガはたくさんありますよね。
そのなかでも『I’ll〜アイル〜』は、試合や特訓に重きを置いていない作品だと思います。派手な必殺技も出てきません(笑)。
そのかわりに、甘酸っぱい高校生活がバスケを通して描かれていきます。
『I'll〜アイル〜』の世界観
1ページ目でまず見てほしいのが、この細い線。
そして、菫(すみれ)という名前。
最高じゃないですか。
世界観としては『NANA』に近い部分があると思います。例えば、始まり方が「あの日は...」といった回想になっていたり、語り手がいるところですね。
はじまりの試合
そして場面は、試合会場へ。菫の幼なじみにあたる、主人公の登場です。
1人で20得点ってすごいですよね。そして、このセリフです。
こういうことを言っちゃうタイプなんです。そして、相手チームにもう1人。目立っていた選手がいました。
それが、もう1人の主人公。柊(ひいらぎ)です。ひいらぎって響きがいいですよね。
こうして
主人公が揃った、次の瞬間
柊が退場になります。それに対して
腹を立てた茜が暴走し、ついに試合自体が中止になってしまいます。
観客には一部始終を見届ける謎の人物の姿。
さらに
観客の噂から、立花は柊がバスケのサラブレッドだと知ります。
そして
実は、立花はバスケを辞めようとしていたんですね。
立花と柊の2人には実力がありながらも、バスケと真っ直ぐに向き合えないという共通点がありました。
そんな、試合からの帰り道
柊は違反行為を理由に、先輩から暴力を振るわれていました。
そこへ通りががった、立花と菫。
さらに、柊の兄も登場します。
柊の家族にとってはバスケが共通項であり、対立を深めている要因でもありました。
柊もバスケを辞めると宣言します。すると、立花は自分のことを差し置いて、こんなことを言います。
ここまではマンガとして「序盤からアクセル全開で面白い!」というわけでもなく、なんとなく「ふーん」と読み過ごされてしまう気もするんですが、
ラストへの伏線になってたりもします。
国府津高校バスケ部
中学を卒業後、舞台は高校へ。国府津って設定が、またいいですよね。
そして
立花と柊は、偶然にも高校で再会を果たします。
そして、あのとき試合を観ていたミネフジコは
なんと男子バスケの監督でした。
一度はバスケから離れると決めた2人でしたが、再会したことをきっかけに
立花はバスケ部に入部します。
そして、
ついに2人とも国府津高校バスケ部のメンバーに。
主なメンバー
ここから、どんどんと仲間が集まっていきます。
『I'll〜アイル〜』では、登場人物ごとのサブストーリーがしっかり描かれているんですが、それがまたいいんです。
仲が良くなるほど本音が言えなくなる
ここからは、特に印象に残っているシーンを紹介していきます。
まずは、4巻。ここまで着実に力を付けていた、国府津高校バスケット部でしたが、柊だけが他校の強化練習に参加することになります。
これを発端に、柊の所属をかけた試合が幕を開けます。
これまで戦友だった立花と柊が、本気でぶつかり合います。
そして、5巻。
ギリギリのところで、国府津高校が勝利をおさめます。こうして、柊は戻ることになりました。
このあと、ここです。
こういうのいいですよね。『ReLIFE』を読んでいてもそうなんですが、キュンキュンします。
こんなことが起こるのも、主人公の2人が安定志向ではないからこそだと思うんですが、
そうやって何度も何度もぶつかり合って、その度に周りも巻き込みながら
ついに舞台はインターハイへ。
ーーーーーーーーーーーーここからはラストのネタバレを含んだ感想です。
「ジャンプマンガはなぜ、最後に主人公に怪我をさせるのか」と思うんですが、9巻で立花は事故に遭ってしまいます。
このとき柊は、お見舞いにも行かず
と言うんです。一見すると酷い言葉ですが、これは柊なりの優しさだと思いました。
「立花が帰ってきても、強いチームにしておくぞ」「俺が引っ張るからな」という意味だと。
ここは、若い男の子の特徴をよく捉えていると思うんです。
柊は決して、周りに相談しないですよね。1人で決めて大胆な行動をとる。さらに、それが理にかなっていたりします。
きっと、柊は強がっているから、誰にも説明しないんだと思うんです。だから、チームとは揉めてしまうんですけど(笑)。
そして、茜は治療のために長崎へ転校することが決まります。
ここでやっと、柊が本音を口にします。
1巻のシーンを思い出します。2人が最も通じ合った瞬間です。
このシーンを見ていると「俺にも相棒がいたらな」と思ってしまいました(笑)。
インターハイ準決勝
そして、最終話のはじまりも試合です。
何度見てもジーンとします。で、ここです。
こんなことを語れる環境と、隣にいる幼なじみ。
いいじゃないですか。
そして
なんて、切ない終わり方なんだ。
『I’ll〜アイル〜』を読むと、高校生活特有の笑いあり、涙ありの繊細な部分を、そっと覗いているような感覚になります。
連載当時は読んでいなかったんですが、中学生になってから古本屋で買ったんです。それ以来、ずっと好きなマンガですね。
なんでだろう、世界観が好きなんですよね。
ぼくは東京の高校生だったので、国府津の景色を見ているだけでもいいなって思います。ラストシーンの景色とどうでもいい会話、これまでを振り返っていく菫の言葉は特に好きですね。
「それは、ある夏の日のことでした」とか。
それから、『I’ll〜アイル〜』を読んでいると服装も、若い感じになっちゃったりするんですよ(笑)
それぐらいドンピシャで、考え方はかなり近いものがありますね。緩いところと、熱いところがあったり。普段はギャグとかしか言ってないけど、締めるところは厳しかったりとか。
周りの巻き込み方も似ているかもしれませんね(笑)。
(聞き手:Erina)
今日はこんなところで!
最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
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あと(追加!)、人生相談というnoteを書きました。ちゃんと回答していきたいと思うのでぜひあれば書き込んでみてください。
またnote内にサークルがあります。こちらもよければ。
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