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優しい嘘にほっこりするマンガ『サトラレ〜嘘つきたちの憂鬱〜 』

水曜日ですね、今日のマンガは『サトラレ〜嘘つきたちの憂鬱〜』です。

「サトラレ」のスピンオフにあたるんですが、すごく心あたたまる作品でした。全4巻で、久しぶりにほっこりしたなと。

考えたことが周りに聞こえてしまうサトラレ、その周りの人、どちらがいいんでしょうね。

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『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(1)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用

あらすじ
「サトラレにサトラレだと気づかせてはならない」--頭の中で考えたことが、勝手に周囲に伝わってしまう奇病・サトラレ。女子高生サトラレ・海崎千景は、好きな人も、悩みも、夢も、欲望も全て他人に知られてしまっていることを、本人は知らずに暮らしている。そして千景が幸せに暮らせるよう密かに彼女を守っている「未成年対策委員」達。これはサトラレと未成年対策委員達の、優しさと脆さと切なさが詰まった青春物語。
アルより引用)

マンガの買い方

Instagram広告でピッコマが出てくるようになりました。

今回のマンガもそこでみたんですけど、「あれ、サトラレって読んだことあるけど、新しいのが出たのかな」「絵の雰囲気もいいから、読んでみようかな」と思ったのがきっかけでした。

マンガが好きな人として、広告のターゲットにされているんでしょうね。そこでいろんな作品をみた結果いつもKindleでまとめ買いをしています。こういった使い方をしているので、広告のことを新作マンガを教えてくれるアカウントみたいにぼくは思っています(笑)。

サトラレ の映画
少し前に、むかし上映されていた映画「サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」に興味があって調べていたんですが、「あれ?安藤さんてこんな人だったっけ?」と思ったんですよね、当時の記憶とビジュアルが一致してなくて。ちょっと、そこだけ気になっています。


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『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(4)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用

このマンガのいいところ

全4巻なんですが、ちょうどいい内容と文字数なので、久しぶりにマンガを読んでほっこりしました。

「orange」ほどは重くなりすぎず、「君の膵臓を食べたい」と同じぐらいの濃さなのに文字は多くなりすぎず。そして、すごく心あたたまる作品です。ぼくは自然とこんな作品に出会えてラッキーと思っています。

そしてなにより、優しい嘘が出てくるマンガだなと。

お母さんの優しさ

特に好きなシーンが4つあります。

はじめは千景が甚の家で食事をすることになったところです。いつも通り思念がキツイので、ひやひやしますね(笑)。でも、お母さんはイラッとしないどころか、対策委員にご飯を持って来てくれるんです。

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大丈夫よ!隠してることなんて何もないわ!
ちゃんと安心なさい
いつもサトラレ を守ってくれてありがとう

『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(3)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用

ここで、母親強しと思いました。「僕だけがいない街」でお母さんがカレーを作って待ってくれているところと重なりましたね。

千景の友達

つぎは、このシーンです。

千景とうまく関係を築くことができていないお父さんに向かって、甚がこんなことを言うんです。千景の性格は悪いと思うけど、自分は友達だと。

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今のアイツは性格悪いと思いますよ
でもそれが千景だし

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ご挨拶遅れました!サトラレ対策委員会未成年対策課の…現場対策委員…兼"友達"の神内甚です

『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(1)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用

千景の両親は子どもがサトラレであることから、いろいろな決断を迫られてきた辛い過去がありました。特に"友達"という言葉に苦しんできたと思うんです。

そんなお父さんが千景に言ったことを思い返すシーンでは、こみ上げてくるものがありました。

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どうして千景だけ呼んでもらえないの?どうしてお友達できないの?何か嫌われることしたの?

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大丈夫 お父さんとお母さんが約束する
必ず友達ができるよ

『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(4)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用

感動ですよね。

未成年対策委員の嘘

こうやって千景の友達でいても、対策委員の仕事はサトラレを嘘で守ることです。それなのに、よっちんはこんなことを言われます。

よっちん嘘つくの下手くそだもん

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違うんだよ千景
大事なこと全部隠してるくらい
俺は嘘が得意なんだよ

『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(4)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用


ここはちょっと、さすがに悲しかったですね。

あとは1巻の1話目の最後。ここをみてぼくは、この漫画を読もうと思いました。

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これは思考が筒抜けになってしまう未成年のサトラレ と
国家公務員である未成年の対策委員が作り出す
嘘と本音の物語である

『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(1)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用


この始まり方がいいですよね。

ぼくは意外と「この物語は○○と○○で固めたれた、そしてちょっと○○なお話である」みたいな言い回しが好きなんです。

どこか「SPY×FAMILY」の冒頭を思い出させるようで、この押さえ方をしたら勝ちゲーなんじゃないかと思いました。

・・・

サトラレの考え(=思念)は周囲の人に聞こえるけれど、本人は自覚していません。法律で思念をもとに行動を変えることを禁止されているんですよね。

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『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(1)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用


なぜなら、不用意に自覚させてはいけないからです。例外なく天才であることを理由にサトラレは国が保護する対象になっていて、本人への告知についても心理的負担を考慮して慎重に進められます。

でも、思っていることと行動が全然違ったりするので、周りにいる人は苦労させられることが多い。これって竹中直人さんの笑いながら怒る人じゃんとぼくは思いました(笑)。

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『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(2)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用


しかも、サトラレは幼少期から守られているのが当たり前です。むしろ、近づく方が痛い目をみることが多いような気がしました。

どちらがいいんでしょうね。

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『サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~(3)』(佐藤 マコト/伊鳴 優子/講談社)より引用


そんなことを考えたりしつつも、みつけたマンガが当たりだったのが結構嬉しかったです。本当にいいマンガでした。


(ヘッダー画像引用元:伊鳴優子/Twitter)

それではまた明日。


最後に。
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