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谷で たき火ボーボー 大熊谷右岸支流 20200723-24

ヤマレコ

出発までの経緯

 この4連休は俺入れて4人で、金曜土曜で谷中一泊の予定で、尾上郷川流域、四国、台高の3地域で それぞれ計画を立て、天気のよさげなところに行こうとゆっていた。が、水曜の朝にメンバーの一人から「やめときます」と連絡が入り、その後、残された3人で行先や日程の調整を試みるが 合わせることが出来ず、結局、一人で比較的 天気のよさげな木曜金曜で谷中一泊することにした。木曜金曜とみると、金曜昼頃までは三重県南部は降らない確率が高そうやったので この辺で金曜昼までに詰め上がれそうなところを探した。
 とはいっても、水曜の夜は缶チューハイを呑んで寝てしまい、持ち物の準備を始めたのが木曜朝。計画書を山岳会に出したのも木曜午前中で、それも入る候補の谷を二つ書いていて、現地近くまで行ってから その内の一つの谷に決めたことを連絡した。am11時頃に自宅出発、ガス缶、腕時計の電池、食料などを途中で買って現地近くの最後の公衆トイレに着いたのが15時過ぎ。谷奥の林道終点まで入ってから着替えたりすると虻や蚋の歓迎でヒドい目に遭うかも、と、このトイレの駐車場でザックに入れたりなどの準備をした。
 で、林道終点まで車を走らせると、案の定、着くなり黄色い小さい虻が車の周りをグルグル回りだした。

Day1

16:15 車に鍵をかけ、歩き始める。暗くなるまでに ええテン場に着けるやろかとの不安が過ぎるが、最悪、林道で寝てもいっかと思い直す。本流の水量は今まで5回くらい来た中で一番少ないように見えた。30分ほど林道や踏み跡を歩いた後じゃぶじゃぶと沢中に入った。が、三滝谷出合までは途切れつつも踏み跡があるはず。ヒグラシの鳴き声に秋かなと思ったりもしつつ遡行。
17:18 三滝谷出合着。ここらは水の近くで寝ることも出来るし、増水してもスグ逃げられる。が、もう少し進みたいな という気がして遡行続行。

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17:24 右岸から滝のかかる標高435m着。本流は4mほどの滝。水流の左岸際が登れそうやけど、これ、前に山口さんと来た時には登れず巻いたんやったかな。今回、水量が少ないからヌメってなけりゃいけそう。で、怖々トライし、たわしでゴシゴシして水流際を登った。この滝を上がったところに平らで流木が売る程あるところがあり、テン場とした。17:26 本日の遡行おわり。
以下の手順で お泊りを楽しんだ。
1.ビールを流水で冷やす。
2.お米を研いで水に漬ける。ラージメスティン。2合。

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3.ツェルトを立てる。
4.流木を集める。

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5.焚き火をつける。
6.米を炊く。
7.ビールを呑む。
8.おかずを作る。
9.ご飯を食べる。
10.洋酒を呑む。
11.薪追加。
(10と11のループ)

20時前に霧雨のような雨が降り出して、急いで荷物を片付けたが、5分か10分でやんだ。2日目の午前中に沢を詰め上がっておきたかったので午前3時半に目覚ましをセットして21:30過ぎに寝た。ツェルトの中からも焚き火が煌々と燃えているのが分かった。焚き火から離れてヘッドランプを点けると細かい虫やら藪蚊が凄かったので、ツェルト近くに3ヶ所 蚊取り線香を設置した。

Day2

3:31 起床。とはいっても少し前から目が醒めていた。左足首を吸血した蛭を枕元に発見し、ライターで炙った。焚き火は まだ火がオコっていたので、スグに火がついた。昨日の残り飯をお茶漬けにして食べ、片付け終わって5時過ぎ。低い雲が垂れ込めているせいか、まだ周りが暗かったので明るくなるのを少し待った。
5:20 遡行開始。谷を木が覆っているところはまだまだ暗い。ヘッドランプ点けようかどうしようか迷ったが、点けずに行ってみた。遡行してスグに右岸側に平らな高台があり、林業跡かなんか分からんけど、次もし来るなら ここで寝たほうがいいと思った。昨夜寝たところは落石の心配が若干あったから。
5:29 標高480m二又。予定通り左又に入る。ゴーロ帯で連瀑などが続く。大体 直登できたが、CS2段5mは水流際の落ち口右岸側を抜けるのも、左岸側の取り付きも嫌らしくて、右岸を大きく巻いた。とはいっても5分弱で巻ける。
6:30 やたらと獣臭がする。熊でも出たら嫌やなと思ったが、この少しあとで獣の頭骸骨の一部を見つけたので もしかしたら死体の臭いやったのかも。開けた明るいガレになり、右岸側に高いクラが聳え立つ。水が切れるが またスグ流れが復活。巨岩を見送り、30mほどのクラの下を歩くと谷が左に曲がってって そこに35m滝(高度計の標高差)。一見こじんまりしてるが、周りを見渡すと、存在感のある滝やった。低い雲で暗かったせいで そう感じたのかもしれない。

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7:40 35m滝下で高度計775m。左岸側はクラが続いてて登れないので、右岸側の壁の切れ目はどこかいな、と壁の基部を左へ左へと辿っていくがなかなか切れ目が見つからない。3ヶ所ほど登れるかなというクラックのような場所があった。で、1ヶ所トライしたが、足を置いたところが、崩れてしまい、岩がボロボロぬめぬめやんってことで切れ目を辿ることにした。
7:59 高度計850m、滝下から75mも標高をあげたことになるが、まだ壁は続いている。ここに、壁の途中にバンドがあり、先が見えないが多分いけるやろってことでトライしてみる。ロープを出すほどではなかった。狙い通りに壁を抜け、林の中を 巻き始めた滝の落ち口方向へと向かう。
8:15  巻き始めてから35分で谷床に降りた。でも巻き始めた滝の落ち口との間に一つか二つ滝があるので、巻降りて落ち口を目指す。
8:23 落ち口で高度計810m。810-775=35m で35m滝とする。ガスってて眺望はない。

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8:26 35m滝の1つ上流の2段7m滝。下段は簡単に登れそうだが、フリクションが微妙に悪く、下段は苦労して水芯を直登した。上段は水流左岸側が登れたと思う。

8:37 16m滝。左岸側は壁が続いている。右岸側は壁の横がスグ ルンゼの滝。で右岸側から巻き始めるが、壁はだいぶ続いている。ルンゼの滝の落ち口をトラバれば、そのむこうの滝の落ち口に抜けれそうに見える。少しの間、逡巡したが、行ってみた。出だしのところ、とりつきあまりよくなく、斜めに登らないといけないので、ここを引き返すとしたら、ロープださないと無理。で、ルンゼ滝落ち口を怖々と越えて その先を見ると、簡単に落ち口に出れそう。よかった。楽できた。
8:51 16m滝の落ち口。ここから先は癒し渓で さほど苦労することはなかった。白倉山北西のコルを目指すには、出てくる二又は基本、左又をとればいいはずやったが、最後の最後で迷った、おそらく標高1060mくらいの二又は左又をとったが、コルを目指すなら右又やった。あと数十mで稜線というところで獣道を辿ることにし、左に向けてトラバースしてコルに出た。
9:55 コル着。
10:06 白倉山。白倉山を過ぎて少しいくと、登山道としては凄い傾斜の岩面を降りるところがあった。ロープは3本くらい設置されていたが、高度感があり少し怖かった。登山道は分かり易かった。
10:53 雨が降っていたら、登山道を辿ってカラスキ谷に下山し、車道を歩いて車を取りに行こうと考えてたが、殆ど降ってなかったので、登山道を外れて尾根上の標高1064m地点を目指す。最初 急な斜面を木を持ちながら降りたが、じきに傾斜が緩み、赤テープが頻繁につけられていた。しばらくいくと、

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「環境林」と書かれた赤い杭が これまた結構頻繁に打ち込まれていた。この辺りまでは、倒木は多かったが、登山道に匹敵するくらい歩き易い道やった。
11:48 ピンクテープがあった。この後、ピンクテープを見つけることはなかった。今まで続いた道が この後どこにどうつながってるのか、機会あれば再訪してもいいかも。
12:03 標高707m地点の少し西側のコル。尾根道も分からなくなってきてたし歩き難かったので、これ以上 尾根を辿るのはやめて大熊谷本流へ向けて降りることにした。これが駐車地までの最短ルートのはず。この斜面の下り、出だしは歩き易くて良かったが、しばらく行くと岩盤が出てきて、右にも左にもよけれず、岩盤上の灌木を伝ったりして降りた。ロープを出さなかったが、結構時間がかかり、この間の虻や蚋の襲撃が凄かった。地形図的には少しスキーヤーズライトに振ったほうが斜面がナルいことが分かっていたので そっちを見るとザレになっている。ザレとの際が崩れてて手持ちの30mロープの懸垂で間に合うか微妙やったし回収が大変そうやったので、岩盤ふくめ、がんばってクライムダウンし、楽にザレに降りれるところをみつけ、ようやくザレに降り立った。ふと一息ついてから、防虫網を被った。これまで蚋が耳穴に一定時間おき、おそらく1分か2分おきに襲撃していたのが、これで止み、随分とストレスが減った。もっと早くからネットを被っていてもよかったかもしれんが、視界が悪いので、やっぱトレードオフやな。水を多めに持ち、昼飯はインスタントラーメンを食べようと思っていたが、虫の熱烈歓迎のために食えずじまい。このザレはやがてガレになり、林道までで3ヶ所くらい巻いたところもあるが、大巻きする必要はないし、落石や浮石にさえ注意すれば、あと、虫のことを気にしなければ、便利なルート。ロープは出さなかった。
13:18 ザレの下降終了し、林道着。標高差430m下るのに1時間15分かかったことになる。車に着く前に途中で行水。
13:28 駐車地着。

全体を通して

2日目の降雨は、3回ほど、それぞれ5分ほど小雨がパラついた程度で済んだ。

念願の谷中泊をしたい、ってことと、木曜は午後発、金曜は昼には谷を詰め上がっていたいってことで一泊で行ったが、この谷自体は日帰りでも行けると思う。

今回、標高685mの二又は右又をとった。その理由は、水線の曲がり具合や、特に左岸側の標高線の詰まり具合で このルートを選んだ。想定通り、滝やら壁やらあった。特に壁は地形図に書かれてないもののほうが多い。運がよかった。大熊谷の支流は、まだまだ入っていない谷が残っている。地形図に水線が記されているものだけに絞ったとしても あと どれだけあるやろか。また機会を作って来よう。

遡行図

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