100日間哲学チャレンジ☆8日目

 こんばんは。カマイタチ兄です。

 今日は、前回お話していた、クランボルツの「計画的偶発性理論」のお話からいこうと思います。

 まずは、境 忠宏(2011)による、クランボルツのキャリア形成の考え方の説明です↓↓↓↓↓

〇クランボルツの「自己変革論」・・・未決定の状況で出会う予期せぬ出来事からの学習を通したキャリア発達

〇・・・変化の激しい時代におけるキャリア形成では既存の興味・価値・能力とマッチした職業の選択よりもそれらをさらに拡大するための新たな学習体験こそが重要であり、そのためにはむしろ「決定」状態よりも「未決定」の方が望ましい・・・

〇つまり、未決定の状態で出会う予期せぬ出来事をうまく新たな学習へと結びつけることで人は興味や価値さらに能力を拡大させ次のキャリア発達の機会へと発展させていくことができる・・・

〇そのためのキャリア支援では個々人の新たな学習の促進が最も重要となり、予期せぬ出来事をキャリア発達の機会に結びつけるオープンマインドと主体的変革意欲を引き出すことが重要としている。

 さて。今日はこの専門的な文章を、自分なりにかみ砕きながら、「計画的偶発性理論」の考え方を捉えていきたいと思います。

 「ディスタンクシオン」においては、人間は小さな頃から受けてきた教育や家庭環境から身につけた「ハビトゥス」(=傾向性、嗜好性)によって、趣味を自然と選んでいるとされていました。ゆえに、似たような「ハビトゥス」をもつ人間は似たような場所(高校、大学、職場≒キャリア)や、似たような趣味(音楽、スポーツ等)に集まってくるハズです(実際にブルデューは、それを社会調査によって実証しました)。

 一方で、現代は「予測不可能」とか「変化の激しい」時代と言われています(詳しく知りたい方は、最下段の経済産業省の資料や、「Life Shift」をご覧ください)。

 その中で、かつての「キャリア発達」のモデルである、

教育を受ける(~25歳) →仕事をする(~60歳)→引退(60歳~)

 が崩れ、新たに「人生100年時代の働き方」が示されました。それが、こちら↓↓↓↓↓

ライフ・シフト

 どうやら、社会人となった僕は、クランボルツが言うように「新たな学習体験」を求めて、人やプロジェクト、イベントと「未決定な」出会いを重ねることが必要なようです。

 予期せぬ出会いや出来事に対しても、オープンマインド(=偏見を持たない)で、「これも学ぶ機会だ!」くらいに、肝を据えておくと良いようです。逆に、「未決定な」出会いをこちらから求めて、「こっちの方に行ったら、もっと面白いことありそうだな」「今はこのプロジェクトに取り組んでみよう」といった具合に、次のキャリア発達段階である「Independent Producer」に備えて、人的ネットワーク作りや、未開発の自身の「ハビトゥス」を探すことをしていくと良いのかもしれません。それが、「計画的偶発性」という言葉の表すところだと思います。

 ブルデューの時代には、「ハビトゥス」は、生まれた家柄や文化階層によって身につけるものとなっていて、その後の社会構造にも影響を及ぼしていました。今でもそれは変わらないかもしれませんが、様々なキャリアを経て自らを変革していくこと、その価値を学校教育やその後の人生で学ぶ機会があれば、面白く生きていくことができるのではないかと思いました。

 さて、今日はここまで。

<参考文献>

川浦 恵(2018)「 キャリア教育推進に向けた経済産業省の取り組み」↓↓↓↓↓





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