「”ユディト”より 捧ぐ詩」

君の細めた夢見る瞳と 甘く漂う吐息

 それだけでもう 僕は逃げられない

「君は僕の首を刈りに来たのか?」

君の町は 僕に支配された

 君は僕のものになると思った

「その刃で、僕の首を刈るのか…」

金に輝く森に囲まれ 蒼く華麗なベールに身を包み

 君が欲するのは 僕の首

  その力強く ふっくらとした

   生を象徴するかのような 肉付きの良い腕に包まれて

    僕は永遠の眠りにつく 夢を見た

「この首を渡せば、君は僕を愛してくれる?」

敬虔なる神の使徒よ 僕の命が欲しいのか

 僕は今 酒に酔っている 機会は今だ

  君が注いだぶどう酒は 君の手に触れ 呼吸に触れ

   黄金色に輝き 美しくたゆとうていた

    燃える松明も 黒髪に光を投げて

     君自身からも 輝きが感じられるかのような…

「この華やいだ世界の中で、君を僕の血で染めるのも、悪くない」

 今、僕は永遠となる 君とともに。


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