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【マンガ感想】『バーナード嬢曰く。』 7巻 (著・施川ユウキ)

あまねく書物への愛と読書礼賛に満ちたギャグだったり哲学だったりする本作も、いつの間にやら連載12年。今巻も題材となる本は『プロジェクト・ヘイル・メアリー』から『きかんしゃトーマス』まで幅広く、紹介された本はどれもこれも興味が湧いてきます。相変わらず、とにかく様々な方向から読書欲が刺激される感じがして、最終的に「読書って良いよね」という素晴らしい読後感が得られるマンガです。

町田さわ子と神林の関係性も本作の重大な見所の一つですが、今回も大変にエモいものがちょいちょい挟み込まれてくるので油断なりません。115冊目の読書に飽きた話とか、128冊目の豆本の話とか、かなり良い。二人の読書を通じた関係性があまりにも尊い。良質な関係性のエモさを摂取できます。二人に幸あれ・・・

(引用:『バーナード嬢曰く。』 7巻 / 一迅社/ 施川ユウキ/ p.50)

『ジョジョの奇妙な冒険』ファンとしては、ジョジョのスピンアウト小説の話も見逃せない。確かに第7部のポコロコが主役のスピンアウト小説は読んでみたい。ジョジョのスピンアウト小説は『OVER HEAVEN』しか読めていないので、これは他も読んでいかないと。というか『OVER HEAVEN』を再読したくなってきた・・・。という感じで、本作を読むと自身の”読みたい本リスト”にどんどん本が増えていきます。そこが凄いところ。

今回は読書の先にあるもの、”創作への一歩を踏み出す”という事にも触れていて、それも印象深かった。読書家が大なり小なり胸に宿すであろう”書く”という創作への衝動。その衝動を優しく肯定して、柔らかく後押ししてくれるような話に、ちょっと心を揺さぶられました。

(引用:『バーナード嬢曰く。』 7巻 / 一迅社/ 施川ユウキ/ p.137)

読書家はもちろんの事、読書を習慣にしたいけどやる気が出ないとか、読書から離れてしまったので読書欲に再点火したいという人にもおススメしたい良いマンガです。


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