【読書感想】『筒井順慶の悩める六月』(著・中南元伸)
明智光秀が織田信長を弑逆する歴史的大事件として人口に膾炙するところの「本能寺の変」。その後、羽柴秀吉が明智光秀を破った「山崎の戦い」。本書の舞台は、その「本能寺の変」から「山崎の戦い」までの短期間となる。とはいえ主役は織田信長ではなく、明智光秀でも羽柴秀吉でもない。大和国(現在の奈良県のあたり)を治めていた筒井順慶という実在の人物である。
光秀謀反の急報を受けた筒井順慶。何が起きて、今はどのような状況で、誰が明智側に付いて、誰が織田側に付こうとしているのか? 明智光秀にも織