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アーユルヴェーダの霊薬「トゥルシー」

アーユルヴェーダの薬理学では

「この世界に存在しているどのようなものでも、それぞれの道理(Yukti)と目的(Artha)を知っていれば、薬にならないものはない」

アーユルヴェーダの古典、チャラカ・サンヒター。アーユルヴェーダの基礎となっている考えです。

きょうは最も古いハーブのひとつといわれている「トゥルシー」(Tulsi, Holy Basil, Ocimum Santacum   シソ科)のお話です🌿

神聖なハーブとして西洋では「ホーリーバジル」と呼ばれてひろく知られています。

アーユルヴェーダ医学では「不老不死の霊薬」とされ、何千年ものあいだ重宝されてきた重要なハーブです。

アーユルヴェーダと同じ位の歴史を持つユナニ医学、そして西洋の現代医学にいたるまで、トゥルシーとその抽出物を治癒力と免疫力を高める有効成分として使用してきました。

インドにはいくつかの種類があって、主要なものは以下の4つになります。

紫がかった緑の葉のクリシュナ・トゥルシー。いちばん薬効があるとされています。ヴェーダによると、葉の色がクリシュナ神の肌の色に似ていることからこの名前になったそうです。

明るい緑色の葉をしているのはラーマ・トゥルシー。すべての部分から強い香りを放ち、涼しげでまろやかな味が特徴です。

一般的な野生の葉はヴァーナ・トゥルシー。わずかに毛深い緑の葉で白い花が咲きます。強い抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果があります。

最後にカプア・トゥルシー。様々な種類のトゥルシーの中で最も多くの花を咲かせます。甘い香りで蚊や昆虫を寄せ付けないことから、この名前がついたそうです。

インドでは寺院の周りに植えられていたり、ご家庭のお庭にも植えられています。神聖なハーブとして大切に崇拝されています.

育った葉はそのまま食べたり、お水にひたしてトゥルシーウォーターを作ったり、お薬にしたりします。

例えばわたしはクリニックのガーデンにあるトゥルシーを「食べなさい」と口に放り込まれたりしていました(みんな気軽に食べ物を口に入れてきます。わたしの周りだけなのかな)。

あとは夜にトゥルシーをお水につけておいて、朝そのお水(トゥルシーウォーター)を飲みます。残った葉はターメリックと混ぜて塗り薬として使ったり、虫にかまれた箇所に直接塗ったりしていました。

またハーブティーとしてよく飲まれています。わたしも大好きで、来客があった際にはよく出しています。温める性質をもっているので、ヴァータ、カファを落ち着かせてくれます。特にヴァータにとても作用して、神経系を落ち着かせて癒やしの効果をもたらします。

他のスパイスと混ぜても効果ばつぐんです。過去の記事「アーユルヴェーダのスパイスティー、カダ」を参照にしてくださいね。

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