コントロールが多ければ多いほど良いですか？広告写真についての内省。

2021年11月5日 18:06

美学の観点からのクライアントの好みに関しては、国によってかなり異なります。私はさまざまな国でさまざまなクライアントと一緒に写真を撮ってきました。

私自身の経験から言えば、アジアのクライアントにとって、良い撮影とは、すでに予見されていたルックをコントロールし、再現できることを意味しますが、欧米のクライアントは即興を受け入れます。

10年ほど前、まだ香港で働いていた時のことを覚えています。かつて、神戸で日本の有名なスキンケアブランドが韓国の女優を撮影している動画のディレクターを依頼されました。思い出すのは恥ずかしいかもしれませんが、香港から22人の撮影クルーを連れてきて、大阪から神戸まで撮影機材がいっぱいの大型トラックを借りて、3時間しか撮影できなかったのを覚えています。

当時、良いクリエーターになるという私の考えは、プレゼンテーションに近いものを最もスムーズに再現することを意味しました。

もちろん、「制作予算を正当化する」など、他の理由がある場合もありますが、私の意見では、アジアのクライアントが「よく管理されたルック」を好んだ理由は、「確認作業の企業文化」と「職人技の崇拝」ということです。

広告写真撮影に関しては、アジアのクライアントのほとんど、特に日本では、撮影前にすべてが明確に参照されて完全に決定されています。撮影角度、ポーズ、照明、ヘアメイク、スタイリングなどの当たり前のものだけでなく、「笑顔のレベル」や「発汗のレベル」などのディテールな参考もよくあります。

それらは通常、すでに多くの打ち合わせで決定されており、通常、現場でのクライアントの担当者でも、アートディレクターでも、フォトグラファーでも、現場での個人的な意見に基づいて変更を加えることは実際には不可能です。

もう一つの理由は、見た目を制御することは「職人技の精度」と見なされるためです。つまり、すべてが想像と完全に同じになるように微調整することです。アジアのクライアントが撮影中にモデルに、人間ではなくレゴであるかのように手や脚を1センチ高くひねるように指示するのを見るのは珍しいことではありません。

もちろん、すべてのワークスタイルには長所と短所の両方があります。フォトグラファー、映像作家としての立場から言えば、正直、個人的には欧米の即興を受け入れるやり方が好きです。すべての広告は人間の欲求から生まれているからです。そして、「人間性」を「入れる」には、ある程度のエラーが必要です。

ちなみに、ここは千葉で行って、香港のケーキ屋さんの広告写真撮影です。北海道の夏をそよ風で見せたいです。

満足のいく写真撮影では言えませんが、広告撮影で「コントロールされた見た目」を実現する方法を説明する一例かもしれません。

天気が37度の8月の最も暑い日に撮影されたので。北海道の夏の涼しさを演出するために、日差しを遮り、たくさんの光を当てて、見た目をコントロールすることにしました。

広告写真とメイキングをご覧ください。
(日本語は奇妙で間違っているように見えるかもしれませんが、日本語を理解していない香港の人々が中国語で読んだときに意味を理解できるように意図的に作成されました。)

アートディレクション：リオ・ヨン　(Young & Innocent)
フォトグラファー：カルン (kalun.jp)
モデル：阿部朱梨 (Gunn's)
フォトグラファーアシスタント：Tong、Togi
メイクアップ：Chifumi (SIGNO)
ヘアスタイリスト：深見真也 (Y's C)
スタイリスト：八代久美子 (Y's C)
プロダクションマネージャー：レオン・リョン
ロケバスドライバー：Jason