名もなき介護
今では名もなき家事が一般的になっていますが、介護も同じでは?と思い、書いてみます。
専門の介護職でもないし、単に100才の祖母と同居しているだけです。
なので、専門的にいったら全然違うよ!というご指摘もあるかもしれないですが。
一般的に介護というと、ごはんを食べさせたり、風呂に入れたり、下の世話が主となるかと思います。
ただ、実際に認知症気味の祖母と住んでいると、案外多いのが、思い込みで新聞をとっていないと怒っていたり(え、さっき読んでたじゃん!)、暑いのに窓を閉めてしまったり冷房を止めてしまったり。逆に寒いときには永遠にストーブをつけていたり。補聴器をとってしまったり。リモコンのあらゆるところを押してしまい砂嵐状態の画面をテレビが付かないと騒いでいたり。何度も同じことを聞かれるのでメモを置いたり。(でも気に入らないと捨てられる。。。)
それを適宜調整して対応。
新聞はあることさえわかれば大丈夫なので、新聞を見せる。
窓は時間になると閉めてしまうので、閉められた窓をこっそりあける。
ストーブは適宜こっそり消す。
補聴器はその都度、入れ直す。
テレビは映るようにする。
何度も聞かれたら、紙に書いてメモを置いておく。そして、捨てられたらまた書く!
などなど、細かいことをあげたら、ほかにもいろいろあると思う。
全部ではないけれど、一日に何回もやられるたびに、何回もやり直す。
これが地味にストレスになる。
昔、一番の苦役は穴を掘ってそれを埋め直すことと聞いたことがあるが、それに似たような感じで、何度やり直しても、また同じことが繰り返される。うちの場合は、3人(実質は母1人+わたし0.1人+兄弟0.1人=1.2人分ぐらいの労力だけど)でやっているから何とかなるし、ごはんを作るか、風呂の補助をするレベルなので、大変な介護の部類には入らないとは思うけれども。
介護は一人でしてはいけないとホントに身に染みます。
腹が立っても、こんなこと言ってたよ!とかこんなことしてるよ!って共有できるし。
名もなき家事と同じで、名もなき介護も家庭によってそれぞれ違う。
家族だからこそできるものもあるし、家族だからこそ腹立つこともある。
症状も家族の状況もそれぞれの家庭で違うからこそ、それぞれの家庭で介護のあり方は模索していくしかないんだな、そんな気がしています。
(もちろん使える公的なサービス等は積極的に使ったほうがよいと思います。
ただ、自分が想像していた以上に、家族が担う日々の細かい作業って多い!)