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【軽羹読書録】硝子の塔の殺人

ご機嫌よう。kalkanです。

今日も今日とて東京は猛暑・・・
そんな昨日、日傘を新調しました。いくつになっても新しい傘ってウキウキしますよね。
今朝はこのまま黄泉の国に行けるのでは?というくらいの眠気で、本気で仕事に行くことをやめようと考えたのですが←
新しい日傘買ったんだった!という気持ちでなんとか自分を奮い立たせました。頑張ったぞ私。

というわけで、今回は知念実希人さんの『硝子の塔の殺人』を読みましたので、稚拙ながら感想を綴らせていただければと思います。

それでは本日もお付き合いいただければ幸いです。

【硝子の塔の殺人とは】

『レゾン・デートル』や『仮面病棟』でおなじみの知念実希人さんが2021年に発表した作品。
2022年には本屋大賞にノミネートされました。

「ミステリー好きのためのミステリー」と紹介されることが多く、事実、多数のミステリ作家たちから絶賛の声を浴びています。

とにかくね、作者の本格ミステリへの愛が炸裂した作品。熱量がすごい。そこも楽しみながら読むと、更に面白いと思います。

【あらすじ】

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、
刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、
ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、
圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命! 
Amazon作品ページより

【読書感想録】

≪ 個性豊かなキャラクターたち ≫

硝子館という、雪山に聳え立つ特殊な建物に住む大富豪が呼んだ面々はさまざま。

医者である主人公、サブ主人公である名探偵、現役の刑事、推理小説家、霊能力者…etc…。
これから始まる物語の期待を更に高めてくれるメンバー。

個人的には「名探偵」が自ら名乗って出てくるのが良かった。しかも女性。
江戸川乱歩の明智シリーズに染まっているからか、名探偵というと、自ら名乗るというよりも、その存在を隠し通すイメージがあったので。

そしてこちらは「倒叙ミステリ」になっています。
所謂、古畑任三郎システムですね。冒頭が犯人による罪の告白から始まるアレです。

いやこれネタバレになるのであまり詳しく言えないんですが、これすらフラグになってたんだな〜と、今改めて思った。いやー…すごい(語彙力)。

≪ ミステリ好きのためのミステリ ≫

作中には主人公たちのセリフを通して、数々のミステリ作品の名が出てきます。

正直私はあまりミステリに明るくないので、初めて聞く作品もありましたが、古今東西のミステリを読破したようなマニアならば、更に作品を楽しめたんだろうな~と思ったのと、これ絶対作者は書いてて楽しかっただろうな~っていうのが第一の感想。

実際、何作品かは読んでみたいな~って思って、読書メーターの読みたい本リストが増えました(笑)

だけどね、ちょっとネタバレ?まではいかないけれど、「あ、それ読みたいと思ってたけどそういう作品なんだ?」ってわかってしまう場面もあったので(笑)ご注意ください(笑)

≪ ラストのどんでん返しの秀逸さ ≫

そう。秀逸なの(笑)
これ、あとで説明するんですが、私今回audibleで視聴しまして。

だから何ページから!っていうのが説明できないんですが、audibleだとラスト一時間が、もうドキドキして、ページを早く捲りたい(捲れない)!!!って思った(笑)

先程、私はミステリに明るくないと言ったのですが、そんな私でも途中、「ん???」って思う場面が何点かあったんですね。

あ、この「ん???」っていうのはどういう意味なのかっていうのは、説明するとネタバレになるので黙っておきます。とにかく「ん???」ってなったの(笑)

だけど、この違和感は最後に繋がる布石だったんだと知った時はもう(笑)
「だよね!?そうだよね!?」って声に出した(笑)

恐らく読んだ方の大半は、真犯人が誰なのかまではわかるだろうけど、ホワイダニット、つまり【何故やったのか?】までは当てられないんじゃないかなぁ。

むしろ、主人公はよくそこまでわかったねって思った(笑)まぁ、主人公あるあるだけども(笑)

私は基本的に叙述トリックによるどんでん返しモノが好きで、最近だと歌野晶午さんの「葉桜の季節に〜」が非常に好きだったんですが、この作品の場合はあたりまえだけど、純粋にミステリー。だから作中からヒントを拾い集めないと真犯人のホワイダニットは解けない。

そして、そのホワイダニットこそが、「どんでん返し」。いや〜すごいなぁ。

純粋にミステリとしても面白かったんですが、人間ドラマが良かった。

昔、仮面病棟を読んだことがあるのですが、緊迫した世界観はもちろん、人間関係の描写に感動した記憶があって、今回はその時のことを思い出しました。また読もうかな。

………と、ここまで書いてきてなんなんですが、個人的には少し消化不良を感じています(笑)

いやこれはね、audibleだったからだと思う(笑)
ちゃんと原作で読めばよかったって少し後悔してる。
でも、これはこれで見えなかった世界があったはずだし、原作は原作で読もうと思ってます(笑)

≪ 最後に ≫

というわけで、散々言ってきましたが(笑)
私はこちらの作品をaudibleで鑑賞しました。
ちなみに初audible。

正確に言うと以前、語学学習のために一度登録したことがあったのですが、当時はまだ定額プランではなくて単品購入のシステムだったので、なんだか割高な気がしてやめてしまったんですね。

ですが、久々に覗いてみたらなんと定額プランが出来てるじゃないですか!
しかも3か月無料!やったー!ってことで今回視聴したわけです。

そんなわけで、《目》ではなく《耳》で読んだわけですが、意外に頭の中にしっかり情景が浮かんで、思ったよりもすんなり頭に入ってきました。

ただ、個人的には「読む」よりも疲れる(笑) 思っている以上に「聞く」ことに集中するのって体力使うんだなぁと思いました。

audibleに関しては改めて綴りたいなと思っているのですが、私は小説には使わないかな(笑)
試しに実用書を聞いてるのですが、こっちの方がしっくりくる。授業を聞いてる感覚に近いからかなぁ?

そんなわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
ちょっと今回好きに書きすぎたな(笑)まぁいいか。

それではまたお会いしましょう。
kalkanでした!


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