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たまには心を捨ててしまえ。

昨夜、もう寝ようかどうしようかと迷いながら、結局エッセイを開き、エピソードを1つ、読んだ。

今読んでいるのは、おーなり由子さんの、「きれいな色とことば」。

わたしには、こんなエッセイが書けたらいいなと思っている作家さんが数人いるが、おーなり由子さんはその1人。

この本との出会いは不思議だった。

とあるカフェに入った時、この本が置いてあって、偶々読んだエピソードに惹かれて、後から中古で1冊購入した。

それが確か、2年くらい前のこと。

わたしにとってエッセイは、集中して長時間読むというより、寝る前の手持ち無沙汰な時間や、何となく気持ちが乗らない時などに、栄養剤を補給するような気持ちで読むことが多い本。

だから、なかなか読み進まない。
あまりにも進みが遅いので、最近少し、意識して読み進めるようにしている。

そして、昨日読んだエピソード。

昨夜出て来たお話は、考え事が止まらない話。

例によって今日も、気に入った箇所を抜粋する。

「心だけで歩いているのではないのだから、心にとらわれすぎてはいけない。心が重要だと思いすぎてはいけない。
見えないものは、知らん顔していたって、はいりこんでくるから、たまには心のことなんか、忘れているのがいいのです。」

読んだ瞬間、あまりに私が必要としていた言葉にジャストフィットしていて、呆然としてしまった。

それから繰り返し、この箇所を読んだ。

心が重要だと思いすぎてはいけない。
忘れているくらいがちょうどいい。

HSPという気質もあってか、感受性が豊かすぎたり、考えすぎたりする私のような人間は、心を大事にし過ぎるあまり、逆に潰してしまいそうな時がある。

子供だって、過保護に育てるより、少し放っておくくらいの方が、却って逞しく育つものだ。

心もそうやって、偶には解放してあげないと。

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