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石けん開発秘話@キルギスタンまでの道のりVol.1

もう何年も前のこと。

デリーの特産品市で友人が購入して
『純子ちゃんこういうの好きそうだと思ったから』
と言って買って持って来てくれた一つの丸い石鹸があった。

それは、ラップに包まれた物が更に紙に包まれていて
麻紐でグルグルに縛られたモノ。一見泥団子にしか見えない。
ある種の人たちは確実に眉をしかめるような品でした。
しかし、私には『よい石鹸』の概念が崩れ去る
衝撃的な迄に素晴らしい石鹸でした。

石鹸を作る際に大切とされる項目は
1.泡立ち
2.原料の成分及び製法
3.見た目
4.香り
5.開発コスト
6.使用感
まあ、大体がこんなところかと思います。

そして、この石鹸は
1.泡立ち→イマイチ。(ほぼ立たない)
2.全て不明
3.泥団子
4.臭い(獣臭)
5.そんなでも無さそうしかし日本で入手可能なのか否かは不明なので
コストも未知

そして、問題の6。これがヤバかった。

6以外の項目は全てえ〜?って思うレベル。
しかし、この6でその全てがぶっ飛んだ。

洗った後、手がツルっツルのスベスベ。

使用感が全てを無視させる物だったのです。

衝撃的でした。
とにかく。

こうなると私としてはどんな人が作ってるのか
どんな原料なのか
とにかく知りたくて仕方がなかった。
ネットで調べまくっても全く出てこなかった。
(そもそも調べるのが下手なのもあるけど)
数年間そんなだった。

しかし、ネットから探れる糸口は途絶え
暫くして日々の時事に追われて忘れていた。
しかし一昨年。
究極の石鹸を作る機会がやって来た。

思い切りいいものを求められたのだから
あの石鹸のように感動的なものを作りたい。
そして、私の中で知りうる限り最高の石鹸。

そう思って寝ても覚めてもその石鹸を想い、
再度探した。

その糸口はなんとJICAにあった。
なんと日本の海外青年協力隊が関わっていのでした。
まさかの!

早速その方と思しき人をFBや諸々のSNSで探し
コンタクトを試みるも一切返信ナシ…
そりゃそうか。。。
でも諦めきれない。
そこでこうなったら本丸に真正面から乗り込もう。
と、思ってJICA本部に連絡。
なんとかアポイントメントを取り繋いで頂いた。

こういう、何も背負ってなくて
自分以外誰にも迷惑はかからないと
判断して動ける時のクソ度胸と言うか
なんというかしつこさは半端ないと
我ながらトホホ…と思う。
そして、本丸に乗り込んだ。
たった一つの泥団子のために。

で、勿論JICAさんは観光や販売目的の為の機関ではないので
そういうお問い合わせはちょっと…と、難色を示した。
(そりゃそうですよね)
でも、必死で食い下がり、
その石鹸を作っている現地との糸口を教えてくれたのでした!!

その現地とはキルギスタン。

え、キルギスタン?どこ?それ..?

地理に弱いトリ頭の私は地図で調べて、
やっとその石鹸がどこから来たのかを知ったのです。

こうなると、もう、どうしても現地に行って
どんな人たちが作っているか知りたいし、
会いたいし、何よりも素敵な手仕事に感動したことを伝えたい。

そんなそんなで行ってまいりました。

キルギスタン。


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