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初めての伐倒 Vo.1

58年生の飫肥杉を2本、間伐(森の手入れのための伐倒)して来ました。

Facebookにその時の写真を上げたら『おめでとうございます!』とコメントをいただきました。でも、私の心中は複雑でした。どちらかと言うとその作業からは極力距離を置きたいと思っていたのです。それが何故突如伐倒することになったのか…今回はそのお話を書いてみました。

私が森の学校の現地講習のフィールドとして、日々お世話になっている宮崎の森を管理されている職人さんN氏に、『イノシシを最初〆た時って、なんかドキドキしたとか怖かったとかありますか?』と聞きました。『別に特別そういったこともありませんでしたね(これも仕事の一つですから)。』と言われて少し驚いたのと同時に、その言葉が妙に腑に落ちました。『樹を伐るときどんな感じですか?』と尋ねても同じ答えでした。 そして今回、イノシシの駆除の話しをした後、急にN氏が言いました。

『伐倒してみますか?』と。

ええ!?私がですか!?
『無理です!』

まさかそんなこと出来るとは思ってもみなかったし、そもそも私のような素人がチェンソーを使うなんてして良いことなのかも判らなかったので※1、驚きと戸惑いと、大切な“商品”でもある立木を変に伐ってダメにしてしまうのは不安だった。そして何よりも何十年と生きた樹を私が殺めることがとても怖かった。

次の日の朝、事務所に行くと即、個人用防護装備の大きさ合わせが始まり、あれよあれよと言う間に準備が整ってしまいました。

防護装備は本当に重くてまるで両足に子供でもぶら下がっているかのよう。

『職人さん達は夏でも冬でもこんな重たいものを装備しているんだ...。』


作業前に先ずは会社で説明されて現場に入るのかと思いきや、装備を装着してそのまま車に乗り込みました。イヤーマフやフェイスガードが付いているオレンジのヘルメットを膝に抱え、“どんな樹を伐ることになるのか…”とドキドキしていました。

現場についた時、その林分の立木の大きさに、作業の前に何か他の用事で立ち寄ったのかと思いました。

だって...大きすぎる!

しかし私の想像とは違ってNさんは淡々とトランクからチェンソーを出し説明をはじめました。

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真っ白になりそうな頭の中をなんとか御し、必死にチェーンソーの操作方法を聞きました。 そしていよいよ、スターターの紐を引っ張ってエンジンをかけようとしましたが…

『全然かからない!(涙)』

何度も繰り返すうちにスパークプラグが燃料で濡れてしまい、更にかかりにくい状態に…。
(もう無理…orz)

N氏と交代して最初かけてもらう。私が散々引っ張っても“フン”と鼻で笑うかのように無視していた2ストロークエンジンは、N氏が軽々と2〜3回紐を引くと甲高い音でワンワンと唸りはじめました。で、エンジンを温めてくれてからもう一度試すようにと促されてかけてみると、なんとかエンジンはかかった。

そして、アクセルを握ってチェーンを回してみてと言われて、アクセルを握ったら勢いよくエンジンが回り始め(当り前だけど)回るチェーンが恐ろしくて(回らなかったら切れないし)冷や汗が…(弱虫っぷりが半端ない…)

で、なんとか操作ができる状態になったところで、いざ、大きな杉の林分の中へ...

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(上記写真は今回の施行とは違う場所の林分です。)

伐倒ロストバージン Vo.2
https://note.com/kalasunoyamaneco/n/ne80fe78b93ba
へ続く

※1 森林所有者の許可および厳重な安全管理監督下での作業指導です。

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