「親しむ」ことは「学習」の目的とすべきことか?
有馬義貴
2020年3月に刊行された『古典教育と古典文学研究を架橋する―国語科教員の古文教材化の手順―』(文学通信)、そのタイトルを拝見してぎくりとし、序章を拝読して冷や汗をかきました。自分自身、古典教育と古典文学研究との“往還”はしてきて、決して「自身のプロパーから発言するのみ」(13頁)ではなかったつもりと自己弁護をしたい気持ちもあるものの、「架橋する」ための発信をどれほどしてきたかと言われれば……。
実はちょうどその頃、中古文学会事務局から、シンポジウムのコーディネ