観劇日記~汚姉妹‐呪われた少女‐~

遅くなったけど、先週の土曜日から札幌に行って観てきた分を書いていきます。

まずは、2月15日15時からシアターZOOにて、クラアク芸術堂の『汚姉妹‐呪われた少女‐』

前評判を見ていた限り、なんだか暗い話のようだなというイメージを持って劇場へ。

舞台セットは森。なんだか雰囲気がとても好きだなと思った。

物語の簡単なあらすじとしては、絵本を作りたい少女、モモが迷いこんだ森にハルという謎の少女が住んでる。ハルは笑っていた方がいいとお母さんに言われたから、泣かないで笑っているんだと言い、楽しそうに、仲間たちと森で暮らしている。森の仲間にはハルの妹のアカリ、絵描きのユウタ、ケイがいる。

そこにヤナギというユウタのお父さんがユウタの妹をつれてやってくる。

ヤナギはお金持ちは幸せだというが、そんなことないと、お金も持っていないのに幸せそうにしているハルに腹を立て、アカリやケイを上手く言いくるめ、ハルの元から離れさせて、ハルの幸せの邪魔をしようとする。

こんな感じかな。おおざっぱに。

物語の終末は、アカリもユウタもケイもハルのもとからはいなくなって、ヤナギの方も息子や娘は薬(?)のせいでおかしくなってしまい、二人の幸せは失われてしまう。

みたいな話だと思ったんですけど、この辺は解釈がそれぞれ変わりそう。

ヤナギは親から『お前は貧乏だから、不幸せだ。お金持ちは皆幸せだ』という言葉を受けて育ったから、お金持ちは幸せと信じて生きる。

ハルはお母さんから『笑っていれば、幸せになれる。泣いたら不幸せだ』と言われながら育ったから、とにかく泣かずに笑っていれば、幸せだと信じて生きる。

両極端ってことか。ヤナギの親もハルの親も。

幸せなんて、人それぞれなのに二人の親は幸せの形を子供に押し付けてしまった。

一見、ハルの親の方がまともに見えるけど、ハルの言動や行動を見ていると、ハルの親もそれなりにヤバイと思う。素直さが悪となってる。

話の序盤で、アカリがユウタに恋をしているということがわかるシーンがあるが、ハルやヤナギのせいでそのことは一旦忘れさせられる。

話の終わりになって、ユウタがハルに『大好き』と言ったときに、ハルが『私も大好き』と返すのが、すごくモヤモヤしてしまった。

恋としては、仕方ないことなんだけど、ハルは多分アカリや他の人たちに、ユウタが好きということはあまり見せていなかったのかなと思う。

でも本当は、ハルはユウタのことが好きだった。

ハルはアカリの恋心を知ってか知らずか、ユウタに告白。

アカリからすると腹立つだろうなー。とか思ってしまったな。まぁそのシーンにはもう、アカリもアカリではないような状態なので、もうどうでもいいかもしれないけど。

そんなこんなで、終わってから色々考えると、色々なことが見えてくる作品だった。

終演後に台本とCDを購入して、DVDの予約もしたから、DVDを見ながら、また新たな発見をするのも面白そう。

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