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アートめぐり 私の楽しみ方⑤

 今回は、楽しみ方というより、展示物に対しての私自身が大事にしたい姿勢のお話です。

 アート展や博物館の展示は、すごい古いものから新しいもの、人気があるものからあまり知られていない作品、明るい作品、暗い作品とさまざまなものが展示されています。

 私は、怖い話が好きですが、事故物件にまつわるお話を最近よく耳にします。とても怖くて、そういうお部屋には私は住めないなぁとよく思っています。

 人の死というのは、平和になり、遠いモノとなって、隠されるようになりました。忌み嫌われたり、あまり考えたくないという人も多いのではないでしょうか。

 それでも、亡くなった人を大切にし、お墓やお仏壇を持つ、もしくはそれに変わる何かで故人を偲ぶというのは変わらないです。日本人は、亡くなった方を大切にしないと何かよくないことが起こると考えることが多いです。

 では、展示されているミイラは、大事にされているのでしょうか。自分が同じ立場であったら、死後自分の肉体が展示されて、さまざまな人の目に晒されることをどう思うのでしょうか。

 大学の授業を通して考えるきっかけがありましたが、自分としてもこのことについて答えが出ていません。個人の尊厳と研究は、両立が難しいです。

 もちろん研究の成果を展示して、そこで得た費用をさらなる研究にあてるという方法もあるのは事実です。

 それでも、展示されているミイラに対して、『怖い』『気持ち悪い』などという言葉を投げかけたり、やたらと不躾にジロジロ見るたりするのは申し訳ない気持ちになります。

 また、ミイラだけではなく、絵画などの展示物についても、どういった経緯でこの展覧会で飾られているのかは細かいことまでわからないことが多いです。展示物がそこにあるべきものかどうかも判断が難しいのです。

 作品の好き嫌いはもちろんあっていいと思いますが、作品や作者に伝わるように悪意のある言葉を発するのはやめたいと考えています。

 いつも気をつけているのは、展示物や作者に敬意を持って見るということです。それと展覧会を開くためには、たくさんの人の力が必要です。そのことにも感謝の気持ちを持ちたいと考えています。

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