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良いところを探そうと思ったんですよ。わかってくださいよ/『カイジ ファイナルゲーム』

オリンピック後の不景気で底辺にいたカイジが金持ちが考えた新しいゲームに誘われるという話(雑に説明)
政府が自国の借金返済に国民の預金を充てるという預金封鎖を防ぐためにカイジが伊武雅人に雇われる話です(雑に補足)

相変わらずの藤原竜也。
まあ、このシリーズは観てないんですよね。原作漫画はそりゃあ突拍子もない話ですけど、やっぱり映画というものになるとそれなりのリアリティって必要じゃないですか。全てにリアリティが必要とは思ってないですが、演技だったり、セットだったり、設定だったり、演出だったり、どこでリアリティを追求するかで映画はどこかでキュッと締まって鑑賞に耐えうるようになると思うんですよ。そのどこをリアリティで締めるかは製作側のセンスなんでしょうけど、今作はその全てが締まってなくてダルダルでしたね・・・。
 いつものクドい演技の藤原竜也とそれに呼応するかのような吉田鋼太郎のオーバーアクト(憎いというよりただムカツク)が奏でるハーモニー。
 セットもひどくて、その昔、松本人志監督の『さや侍』を見たときに劇中のセットの酷さにびっくりしたと同時に怒りを覚えたんですよね。テレビのコント番組のようなチープさで。その時は松本人志だからと作品への諦めくらいで済んだのですが、この『カイジ』を見たらその時から美術についてはなにも進んでないのかと暗澹たる気持ちになってしまいました。
 
良いところを探そうと思ったんですよ。わかってくださいよ。
あ、良いところ見つけました。
なにが起こっているのか、これからどうすればいいのか、なんで悩んでいるか、それらを全てセリフで説明してくれます。わかりやすい。
 冒頭で派遣をクビになった「おばちゃん」が登場すると、だれかが「旦那が死んで残された子供を女手一つ時計屋で・・・」とかなんとかおばちゃんの境遇を説明してくれます。
 吉田鋼太郎が勝利目前、絶体絶命のカイジの横で運がいいだけの関水渚が「もう逆転はムリってこと?ヤバイよカイジ!」と、それいま見てわかってるから、と突っ込みを入れたくなりますが、youtube見ながらだったら確かに今時の映画としては親切かもしれません。
 
 ラストの場所など「なぜ?」とのけぞってしまい、この映画から本当に物語を描こうという意思を感じられないのですが、それでも興行成績が『アナと雪の女王2』に次いで2位です。2位です(大事なところ)。(1月15日現在)

「ようこそ!底辺の世界へ!」(いつもの藤原竜也風に)
これ、映画界のってことですよね?

2020年1月16日鑑賞

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福本伸行の人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化した「カイジ」シリーズの3作目。前作「カイジ2 人生奪回ゲーム」から9年ぶりの新作となり、原作者の福本が考案したオリジナルストーリーで、「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」という4つの新しいゲームを描きながら、シリーズのフィナーレを飾る。2020年・東京オリンピックの終了を機に、国の景気は急激に失速。金のない弱者は簡単に踏み潰される世の中になっていった。派遣会社からバカにされ、少ない給料で自堕落な生活を送るカイジは、ある日、帝愛グループ企業の社長に出世した大槻と再会。大槻から、金を持て余した老人が主催する「バベルの塔」という、一獲千金のチャンスを含んだイベントの存在を知らされ……。福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎らがシリーズ初参戦し、過去作からも天海祐希、松尾スズキ、生瀬勝久らが再登場。監督は過去2作と同じ佐藤東弥。
公開日:2020年1月10日
2020年製作/128分/G/日本
配給:東宝


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