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光の戦士たち(13)妻と娘はなぜ彼の元を去って行ったのか そして祭からの突然の電話【小説】

登場人物
祭あつし:25歳 市役所勤務
館山敏宏:49歳 市議会議員

館山は自宅のリビングで一人、ソファに深く腰をかけていた。テレビの画面にはYouTubeが映し出され、MMTについて語る動画が流れていた。

彼は深いため息をつき、手に持ったビールを一口飲んだ。

館山:「どうしてこうなったんだろうな…。」

ふと、館山は家の中の静けさを感じる。妻と娘が家を出てから、もう2年になる。
コロナ禍でイライラが募り、つい感情的になってしまったのだ。

館山:「誰が専業主婦の面倒を見てると思ってるんだ!不満があるならお前が議員をしろ!」

その言葉が口から出た瞬間、妻の表情が硬くなり、娘は冷たい目で父親を見つめた。そして次の日、二人は家を出て行った。今では、その時の言葉を深く後悔している。

館山:「やっぱり、言い過ぎたな…。」

町はコロナの影響で寂れ、かつての賑わいはどこにも見当たらない。飲みに行くこともなくなり、彼の夜はYouTubeを観ることが日常となった。

館山:「どうしてこんなに静かなんだ…。」

彼はビールを飲み干し、また画面を見つめる。

館山:「結局、自分が変わらなきゃいけないのかもしれないな…。」

その時、スマートフォンが振動し、画面を見ると祭からの電話だった。

館山:「なんだ、祭か。」

電話を取り上げると、祭の元気な声が聞こえてきた。

祭:「館山さん!知り合いが飲み屋をオープンしまして。一緒に行きませんか?」

館山は少し驚きつつも、冷静を装って答えた。

館山:「仕方ないな。付き合ってやるよ。」

しかし、電話を切った後、館山は内心とても嬉しかった。久しぶりの外出と人との交流が、彼の心を温かくした。

館山:「まあ、たまには外に出るのも悪くないか…。」

彼は少し笑顔を浮かべながら、準備を始めた。

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