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美しさと平等観とITとブスが与える子どもへの影響

『療育なんかいらない!』
衝撃的な本のタイトルについポチリしてしまった!

筆者は重度自閉症の息子の為に放課後デイを運営されている佐藤典雅さん。
元ヤフー・ジャパンのマーケティング、東京ガールズコレクション等も手掛けた天才プロデューサーで、息子さん(がっちゃん)の自閉症をきっかけに、発達障害の子の放課後等デイサービスを運営する「アイム」の代表をされている方だ。

私は療育を体験したことがないし、療育の是非や内容については何も言えることはない。が、それよりも何よりも、筆者の物事の見方が面白くって!笑

キレッキレの価値観と物言いに、「お、おおぅ…」そこまで言っちゃっていいの?でも私の何かが反応しているぞ?!みたいな箇所がいくつもあり、一気に読んでしまったよね。

既存の概念にとらわれず、自分で問いを立て、目の前の子どもを見て、真摯に切り込んでいく姿がなんとも刺激的で、笑いと共にカラダの力みがほぐされてゆく。

メモした部分(本が付箋だらけになっちゃった、笑)だけでもここには書ききれないけれど、少しだけシェアさせて欲しい!

※noteのタイトルがあんなんでごめんなさい。どうしてもまとめられず。。


”子どもたちはみんな、明るい美人が好きだ”

タイトルは本書からの引用。なんとストレートなんだろうか(笑)
福祉や教育業界だとつい知識とか専門性に目がいきがちだが、人間の素材的な部分-明るさ・美しさ・色気・知的さ・会話の楽しさ-のようなものが大切だと言う。これは体型や顔の造形というよりも、内面からにじみ出る魅力みたいなものなんだと思う。

自閉症の子は人への関心が薄い、共感力が弱いと言われるが、そのような資質をもった人にはしっかりと反応するらしい。人間、いや、生き物としての性(さが)なのかもしれない。

筆者は、こうも言っている。
”色気は生命の基本であり、色気を否定することは、自然の摂理を否定することと同じである。”
なんと力強い言葉だろう(笑)
自然の摂理!でも、そうかもしれないなぁ。求婚時に派手に見せる鳥とかもいるわけだし。

発達障害系キッズは、その反応が素直に出る分、より原始的で自然に近い人類なのかもしれない。


”日本人は平等という言葉が大好きである”

アイムでのおやつの時間、おやつの内訳についてスタッフと意見が対立する場面がある。

”違う能力をもつ子たちを、同じに扱おうとすること自体が不平等だよ。平等よりも大切なのは公平(フェア)”

”日本人の発想は「結果平等」である”
”欧米の発想は「機会平等」である”

あー。私もモヤモヤしていた部分をしっかりと言語化してくださった!
息子は支援学級に在籍している。そこでは彼の個性を大切に、とても丁寧に対応してもらっていると感じる(不登校だけどー)が、一方で、普通学級の中だって本当は違う能力の子だらけだろうに、そこはひとまとめにされてしまう矛盾。普通学級を横目に見ながら、この子たちもみんなそれぞれ特別扱いしてあげたらいいのでは?などと思っていた。公教育で実現するとなると、価値観と現場のシステムをひっくり返さないといけないだろうから、かなり大変だろうけど。。。

そもそも、義務教育だって本来は「子どもが学ぶ機会を奪わない」という意味であるはず。選択肢を並べ、その中から子ども自身が「学校に行かない」を選んだことは、親としての基本的な役目を一つ終えていると言ってもいい(でもまた次なる選択肢を探す旅は続くのだけれど…)。一方で、不登校を「結果平等」の観点で捉えると、結果として学校に行っていない訳だから、まわりはザワつくわけですね。。

私たちは一度、身の回りの「平等」を点検してみる必要がある。


”集中できるのは、IT機器のレスポンスが彼らの意識のスピードについてくるから”

iPadなどのIT機器と、多動症は相性が良いらしい。

筆者の仮説によると、彼らは意識のスピードが速く、また、様々な情報をすべて吸収してしまう故に1つの事に集中するのが難しいというのだ。だからこそ、IT機器のレスポンスのスピード感がしっくりくるのではないか、という事だった。

多動傾向とIT機器との相性は、息子を見ていても分かる気がするので、興奮してしまった!笑

息子は何も診断を受けていないが、読み書きや学校が嫌いで不登校である。でも頭の回転も速いし、iPhoneとの親和性がとても高いと感じる。操作も検索能力もなかなかのもの。新しいアプリだって私なんかより早く使いこなしてしまう。

しかし、この意識のスピード感で困るのは、相手のリアクションや了解を待てずに、行動し、トラブルになるケース。我が家では妹や弟相手に、よくそういう事が起こる。。。「ちょうだい」→「いいよ」を待たずに食べちゃう。「やってあげる!」→「じゃあお願い」を待たずに手を出しちゃう。私がお願いする時も話の途中で動き出して「まってーまだ途中だよー!」という具合だ。

我々人間相手ではスローモーションに感じるのだろうか?笑


”自分の人生を楽しむのが、親の仕事だ”

障害をその子が生まれもった「魂の課題」と捉え、その使命をまっとうできるようにサポートするのが親の役割。そのうえで、親が自分の人生を楽しもうよ!と筆者は言う。

さらに、
”子どもからすれば、自分の障害のせいでお母さんがブスになってしまうのも、決して嬉しくないはず。”

ブスて…
突き刺さりますね(笑)
筆者のお友だち談によると、”明るい家庭をつくるには、お母さんがオシャレにしていること。それが費用対効果がいちばんいいの。”

これ、もはや発達障害とか関係なく、真理ですね。

”お母さんが自分らしく、自分の人生を謳歌していれば、傍らの子どももその姿を見ていて楽しくなる。”
本当にそうだと思う。

よく子育ての話で酸素マスクの例え話が出てくるけれど、お母さんが酸欠で倒れそうな状態では、親も子も共倒れである。

子どもの前にまず自分の人生、在り方を叩き直せ!って事ですね(笑)
御意。








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