はじめの一歩が大きいと、二歩目が大変になります。
はじめの一歩というのは、なるだけ小さい方が良いというのが今のところの僕の考えです。
人はときに見据えているビジョンの大きさに見合った一歩目を踏みだそうとします。それは向上心のある人にこそ見られるもので、なにかをはじめるときに、その覚悟とか本気度がわかりやすい一歩目を踏み出したりしがちです。
でもそれってけっこう大変なことで、一歩目が大きければ大きいほどに、次の二歩目にすごいエネルギーが必要になったりします。
あまりにも壮大で、意味のある大きな一歩目を踏み出してしまうと、次も同等かそれ以上の歩幅を求められたりもしますし、方向転換が困難になります。
たしかに、あらゆるステップを省略し、決意と実行力をもって踏んだその一歩目にはすごい価値があります。だけれど今後も歩んでいく長い道のりのことを考えると、僕は暗闇に足を踏み入れるときのような小さな一歩目で十分だと思うのです。
歩幅は小さければそれだけインパクトも弱いですし、歩みも遅いかもしれません。しかしそのぶんだけ方向転換がしやすく、確実性があります。そうやって少しずつ歩く感覚に慣れて、この道を進めば良いと思えたときに、歩幅を大きくしていけばいいのではないでしょうか。
歩きながら歩幅を大きくしていくのと、止まった状態から大きく一歩を踏み出すのでは大変さがまったく違います。
ウサギとカメの話。これは一歩が大きくて速いウサギが負けたから笑い話になっているわけで。カメが負けても驚かないし、たぶん誰も笑いません。
みんなが気づかないような一歩を踏み出すこと。これはある種の必勝法でもあるような。
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