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2023.10.28 マンチェスターダービー 雑感

 メンバーはたしかに十分ではない。しかしそれでも、ビルドアップのデザインはもう少し行われていて然るべきではないかと思わされるマンチェスターユナイテッドだった。

 ホイルンド頼みの攻撃に、中盤にまで繋ぐことができないビルドアップはマンチェスターユナイテッドの攻撃がいかに即興的なものかを表していた。

 この試合、守備陣は奮闘していたようにも思う。もちろん「奮闘」の二文字では済まされないのがマンチェスターユナイテッドの選手であり、結果的には3失点を食らっているわけではあるが、アンドレ・オナナとハリー・マグワイアのパフォーマンスは必ずしも批判されるべきものではなく、彼らの「自信」は少しずつ戻ってきているようにも見える。

 リンデロフにいたってはもちろん合格をあげることはできない。しかしそれでも本職右利きCBの選手が、ビルドアップのデザインすらないチーム状況で左サイドバックを任されていることを加味すれば、多少の同情も生まれてくる。個人的にはダロトを左サイドバックに、リンデロフを右サイドバックで観たいところだ。リンデロフはもともと足元のない選手ではない。右サイドに置いてやれば、得意のロングフィードもできるのではないだろうか。

 そしてなにより一番の問題はラッシュフォードだと考える。彼のポテンシャル、一発を決めきる力を期待する気持ちはもちろんあるが、ビルドアップの整理されていない今のユナイテッドにおいて、走れない・競れない・決めれないラッシュフォードは残念ながらスタメンに相応しくない。
 ホイルンドが交代された際、スタジアムからはその決断に対するブーイングがあった。はたしてそれが今の10番にも起こり得る現象だろうか。もしもその交代が戦術的なものではなく、「ホイルンドの疲れ」によるものならば、その原因の一端を担っていると言っても過言ではない「走らないラッシュフォード」はチームにとっての力になれていない。

 今季のエースはだれか。それを明確にした戦術を早急に構築しなければ、マンチェスターユナイテッドのフォワードは誰も輝けないままシーズンが終了してしまう。

 マンチェスターユナイテッド生え抜き期待の10番だからこそ。時には逆境に立たせ、そこからの真価を見守る姿勢こそが必要だ。

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