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中学受験 体験日記 受験当日(2月1日)~いつも通りを合言葉に。4教科×2回の過酷な初日~

2月1日

朝5時半。
息子の部屋の目覚ましが鳴った。
昨夜「5時50分でいいよ」と言っておいたのだが、本人は早めに起きたかったのだろう。
5時40分にリビングに来る。
いつも通りの息子の「おはよう」だけど、顔から緊張しているのがよくわかる。
朝4時頃にトイレに起きていたのも知っている。よく眠れているのか心配だが、できるだけ意識させたくない。
でもやはり聞いてしまった。
「よく眠れたか?」
息子「うん、意外とよく眠れたよ」
「途中でトイレ起きてなかった?」
息子「あ、行ったけど、その後もすぐ眠れたから大丈夫。」
ちょっと安心した。昨日の夜の表情は本当に顔面蒼白での緊張だったので、とりあえずは良かった。
ぐっすりとは眠れてないだろうけど、どの小6生も同じだろう。

(何を隠そう、私は、ほぼ眠れてないのだから…)

普段通りの朝食メニューだが、1時間早い。
あまり食が進んでいないが、朝の基礎力トレーニング、理科のチェックなどルーティンはしっかりとやっていこう。できるだけ普段通り。

出発時間。

ここからは、私と息子の2人で。
妻と起きたばかり弟と抱き合い
「リラックスね」「にいにい、テスト終わったら遊んでね」
それぞれの言葉を交わしながら見送られる。

「寒いな、結構」など、と他愛のない話をし、
できるだけ普段と変わらない言葉をかける。
が、うまく会話が続かない。
私もだいぶ緊張している…。

実際、数週間前の栄東中の前日、私自身、一睡もできなかった…。
今日からは5日間連続で戦いが続く。
仕事は1日、2日は休み。3日は午前休。
4日、5日は、前半の結果次第で変わるので未定。
ただし、3日午後、4日午前はどうしても外せない仕事がある。
なるようにしかならないが、今日の午前か午後で合格が取れると、かなり余裕を持てる。

電車には、同志と思われる子供と親が結構乗っている。同じ学校とは限らない。
そして、この時間はランドセルを背負った小学生もかなり乗っている。
7時過ぎの電車は普段あまり乗らない。
息子「私立の小学生は6年間この時間に乗ってかよっているんだね」
「そうなんだな、みんな早起きだな、7歳からだもんな。」
息子「俺は無理だな、大変だね。」
「そもそも、一人で電車乗れたっけ? 7歳の時?」
息子「覚えてないわ(笑)」
ほどよい談笑。
強張っている息子の顔を、少しでもゆるませたい。

できるだけ体を動かしたいので、駅では階段を使う。
頭に血が巡るように…
ベストな状態でテスト会場へ入れるように…。

ドアto ドア で35分。

あっという間に学校に到着。

この学校は息子にとっての第一志望校。
偏差値上は十分合格がもらえる可能性がある。
サピックスオープンでも何度か70%を出している。
グノーブルの先生からも、「普通にやれば、合格できる」と。
一方で、過去問10回分の結果を見ると、2勝8敗。
かなり、分が悪い。
カギは算数で、前半の小門集合をスムーズに乗り切れるかどうかが、大きなポイント。
ただ、本人は、ここまで相性が悪いとは知らない。
過去問を解くときも、年をばらけさせて、
結果4教科で合格点に届いているか否かはあまり本人はわかっていない。

親としては、この学校と2月3日の学校、どちらも第一志望。
でも、今日合格を取れると、この後の5日間が本当に余裕をもって過ごせる。
例え、3日の学校が不合格でも、この学校が取れれば、息子の中学受験は大成功だ。
綺麗な校舎。自宅からのアクセス。息子の印象に一番残っている学校がここ。


『見送るときに、何か言葉を用意しておいてください』
とグノーブルの先生に言われていた。
でも、私は敢えて言葉を用意しなかった。
だって、一言では伝えられないし、変に感情的になれば、いつも通りの精神状態ではなくなってしまう。
「とにかく、いつも通り」と、常々言ってきたのだから、見送るときも、特に言葉はいらない。

いつも通り、いや、いつもよりも穏やかな表情で、息子と向き合う。
「いつも通り、焦ったら2秒目をつぶってゆっくり深呼吸。」
息子「OK、いつも通り」
「じゃあ、楽しんでおいで!」
息子「はい!」

ハイタッチをして見送るが、息子の手が震えていた。
でも、無理にでも笑顔を私に見せて、会場へ入っていった。
もうやるだけ。私はここからは関わる事はできない。
神に頼むしかない。

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