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単語を書けるためのFirst Step

中学生にとって、やはり「単語を書けるようになった」ということは、英語ができるようになったと感じるための大事な要素であることは、学期末にとる生徒のアンケートでも顕著です。

 もっとも今後「単語を書けるようになる」ことが、どんどん必要なくなってくるんじゃないかなと思っていますが、それはまた別の話です。

 自分は授業であまり単語の練習をさせてきませんでした。これなら単語を覚えさせることができる!というシステムを自信をもって提供することができず、ただ単に単語練習させても、忘れちゃうんだよなあ・・・意味ないよな・・・と思いながらも、定期テストには単語を書く問題を出すという、ある意味鬼畜な教師でした。授業の中でやってないことをテストに出すんだもんなあ。(もちろんテスト範囲としては、ワークのここからここまでは出すよ、と予告しているから、「勉強していない生徒が悪い!」ともいえるけど、これは教師として自己責任回避している・・・)

 これじゃあいかん!授業の中で単語が書けるような学習方法を紹介し、テストをして、実際の場面でその書けるようになった単語を自分の気持ちや考えを表すために使えるようにせねば!と一大決心しました。

参考資料 


何か新しいことを始めるときには徹底的にリサーチしたうえで、見切り発車するタイプな自分。まずは参考資料から集めました。

1.中学英語50点以下の生徒に挑む 瀧沢広人

2.続・中学英語50点以下の生徒に挑む 瀧沢 広人

3.苦手な子も読める!書ける!使える!中学校の英単語「超」指導法 瀧沢広人

4.1日5分で英会話の語彙力アップ!中学生のためのすらすら英単語2000 瀧沢広人

もう、瀧沢広人先生の著書オンパレードですが、それほどこの先生は語彙指導に力を入れてきた先生ということです。

その著書の中で再三にわたって紹介されているのが、5問テスト、25問テスト、100問テストです。

テストの実際

1.発表語彙25個を選択

まずは単元の中から、発表語彙を25個集めます。意外と発表語彙は少ないです。大体単元で20語前後ぐらいです。足りない分は、発表語彙でもこれは書けるほうがいいなあと判断した単語や、新出語彙ではないけれど、書けるようになってほしい発表語彙を選び25語を集めます。

2.続いて5問テスト作成

25問を5問テスト×5回分作ります。これを授業の最初に必ず行います。生徒も毎回やるので、家庭学習で取り組んだり、授業の前の学習(勤務校では3分前学習という時間があります)で取り組んだりしています。5問しかないので、まあほとんどの生徒が100点を取ります。普段全くできない生徒が「おれ100点!」などと喜ぶ姿を見ると、うれしくなりますね。

3.25問テスト

5問テストが終わると25問テストです。これを4回やります。最初の3回は練習で、最後の1回が本番です。瀧沢先生のすごいところは、この練習を5問コース、10問コース、20問コース、25問コースを選ばせるシステムを作り上げたところです。生徒は定着度合いによって、コースを選べます。「ゴールにたどり着けさえすれば、どんなルートでもよい」というわけです。5問コースは1問20点、10問コースは1問10点、20問コースは1問5点、25問コースは1問4点です。英語が得意な生徒は25問コースを選びますし、苦手な生徒は最初は5問コースにして、徐々に難易度を上げていくような感じです。この「選択させる」ということが生徒に責任を与えます。

4.100問テスト

 25問テストが4回終わると100問テストをします。

生徒は多いと合計6回その単語を書くことになります。しかも程よいインターバルを置いて。この程よいインターバルが、記憶の定着にいいのです。

「人は何かを学んだあと、20分後には42%忘れてしまう」そう言ったのはドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスです。エビングハウスは、無意味な音節を記憶し、時間と共にどれだけ忘れるかを数値化する実験を行いました。それが下のグラフ、「エビングハウスの忘却曲線」です。
記憶の定着率-1

エビングハウスの忘却曲線でも有名なグラフですが、ある程度インターバルを置いて繰り返すと、定着度が増します。

現在令和4年の6月上旬の時点で25問テストが一つ終わっています。結果は平均点が82点ほど。これ結構よくないですかね?あるクラスは女子全員が100点という恐ろしい結果に。生徒も自信がつきます。自身がつくとますます勉強したくなるものです。

さて、今回はここまで。「えっ?100問テストやってないの」と言われそうですが、今後Upしていきたいと思います。

追記(R4 7月2日)


さて現時点で単元が2つ終わり、25問テストを2回行っています。
クラスの平均点はおおよそこんな感じです。
1組 76点→89点
2組 88点→93点
3組 88点→92点
全体 86点→91点

こう見ると、全体で91点ですから、25問中23問ぐらい正確にかけている、間違っている単語が2つ程度と言えます。生徒も「自分たちってこんなにできるんだ!」という自信につながっているようです。

追記その2(R4 10月8日)


25問テストが4回分終わり、クラスの平均点は次のように推移しています。

1組 76点 89点 78点 88点
2組 90点 92点 87点 96点
3組 89点 92点 83点 87点
全体 87点 91点 82点 91点 すべての平均 88点

3回目が低いですが、夏休み明けに3回目の25問テストを行ったためか、低くなりました。

すべての平均が88点ですので、25問中22問程度正解、3問程度間違いというところでしょうか。100問テストがどうなるか楽しみです。

追記その3(R4 10月28日)


現在100問テストが終わりました。
   25①  25②  25③  25④  100問テスト
1組 76点 89点 78点 88点  66点
2組 90点 92点 87点 96点  80点
3組 89点 92点 83点 87点  73点
全体 87点 91点 82点 91点  73点

というわけで全体の平均が73点という結果でした。できれば8割に乗せたかったところです。

追記その4(R4 11月28日)

25問テスト5回目が終わりました。

    25①  25②  25③  25④ 100問テスト 25⑤
1組 76点 89点 78点 88点  66点   94点
2組 90点 92点 87点 96点  80点   97点
3組 89点 92点 83点 87点  73点   95点
全体 87点 91点 82点 91点  73点   96点

生徒も慣れてきたのかだんだんと平均点が上がってきたように感じます。特に女子の平均が高く、あるクラスでは99点という平均で一人を除き女子全員が100点という結果でした。すごい!


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