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ジグソーリーディング in 2023

今年3年生を2年ぶりにもてたので、New Horizon English Course 3 の Unit5のガンジーの半生ついての読みもの教材をジグソーリーディングの手法で読む活動を行いました。

今までの取組はこちらから。

1.今までの活動を振り返っての改善点

今までやってきて、いくつか改善点や気を付けることがありました。

(1)最初に個人で全体を読ませるべき。


ジグソーリーディングは、文章をいくつかに分け、その部分を訳す担当者が集まって訳し、自分のグループに戻ってその担当部分を説明するというのが大まかな流れです。自分の担当の部分しか読まないことになるので、全部分かったことにならないじゃないかという懸念がありました。ということで、まず個人で読む場面を作りました。

(2)読んだ後のタスクをどうするか。


ジグソーリーディング自体が目的でなく、ある別の目的を達成するための手段としてジグソーリーディングをしないといけないと思っています。今回はリテリングやディスカッションすることが目的であることを最初に生徒に伝えます。これで前回の問題点の一つだった、「英語の授業なのに、日本語訳することがメインの活動になってしまっている」ことが、多少解消されるかなと思います。

2.活動の実際

(1)今回の目的について生徒と共有する。


今回ガンジーの半生についての英文を読み、グループでTFクエスチョンに答えること、ガンジーのタイムラインを作ること、それを見てリテリングすること、ガンジーについてディスカッションすることが目標であることを伝えました。

(2)まずは個人で一通り読む。


まずは全体を個人で読みます。タスクは6つの年について何があったかだけを答えられるようにすることです。目標として300wordsあるので、300秒で読むと中2レベル、半分の150秒で読むと中3レベルとして、生徒の意欲付けを行います。

(3)ペアで確認する。


読み終えたらペアでその年に何があったかだけをシェアします。一文一文訳すのではないことを強調します。

(4)ジグソーリーディングをする。


4人~5人グループに分け、A~Dさんを決めます。Aさんは1,2パラグラフを訳し、Bさんは3パラグラフを訳し・・・と役割分担します。5人グループのところは一人余るのですが、ここは配慮が必要とする生徒はわざと5人グループに入れて、2人で担当するようにします。

生徒はエキスパートグループに分かれてそれぞれの部分を訳します。声掛けとして、「なぜその部分がそういう意味になるのか、しっかり説明できるようにしておくこと」「もとのグループに戻ったら自分一人しか説明できる人いないからね」と言っておきます。

(5)自分のグループに戻り、日本語訳を説明する。


持ち時間一人1分半で日本語訳を説明します。「ちゃんと辻褄あったかな~」と声掛けをすると、「大丈夫です!」との返答がありました。大丈夫そうです。

(6)TFクエスチョンに答える。


ホワイトボードを渡し、8つのTFクエスチョンに答えます。ここでしっかり答えらえると、その根拠となる部分を担当した生徒はとても満足感を得られるのではないかなと思います。

(7)Timelineを作る。


A4の紙に6つの年を書いた年表を渡します。ガンジーの半生を絵と図、キーワードで説明して、自分のオリジナルの年表を作成するのです。
条件は・・・
① 絵や図はいくら描きこんでもよい。
② キーワードは各年につき5語まで。

生徒はこの後この年表を見てリテリングする、という活動がありますので、ガンジーの半生について説明できるように一生懸命Timelineを作ります。その時にもう一度テキストに戻り、「自分で意味を読み取ろうとする」ことをします。他人から日本語訳を聞いてもあやふやだった部分がこの個人読みの作業でよりはっきりするのかな、と観察していて思いました。

3.ここまでの振り返り


さて、この後はこのTimeLineを使って振り返りです。どちらかというとリテリング中心の内容になるので、次回へ続くとしたいと思います。

今回よかった点は・・・

(1)「読む」という活動を「目的を持たせて」何度もできたこと

生徒は次のような「読む」活動を行いました。

① それぞれの年に何が起こったかを理解するために個人で読む
② その後確認するために、ペアで読む
③ 担当個所について訳するためにグループで読む
④ 他の部分の担当した日本語訳が本当にそうなのか確認するためにグループで読む
⑤ Timelineを作成するために、個人で読む

ただ意味を理解するために読むだけより、目的と形態を変えて読むことにより、5回程度は読ませることができたわけです。

(2)リテリングやディスカッションという最終ゴールを意識させたこと

ジグソーリーディングが目的にならないで手段であることを意識して、あくまでリテリングやディスカッションがゴールであることを強調して活動を勧めたので、より活動に集中したのかなと思います。

(3)全員に学びが起きていたこと、学びに向かう姿勢が生まれていたこと


これは今回に限ったことではありませんが、このジグソーリーディングという活動は全員に学びが起きる活動だと思います。生徒は自分の班に戻ったら、担当個所の日本語訳を説明しないといけないという「責任」が発生するので、いつもであれば促されてようやく教科書を開くような生徒が、「これなんでそういう意味になるんだ!?」とエキスパートグループで質問していました。

たまたま生活支援サポーターの方が授業に来ていらっしゃいましたが、担当の生徒が、サポーターの支援が必要ないぐらい自分から学びに向かおうとしていた姿勢に感動していました。


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