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ジグソーリーディングでtimelineを作ってみた

 

1. ジグソーリーディングとは?


英語のリーディングの授業って、皆さんどんなイメージ持っているでしょうか?

英文和訳のイメージありませんか?自分も中高とリーディングといったら、構文を理解して和訳する授業しか受けたことがありませんでした。

えてして、自分が受けた英語の授業を、そのままやってしまいがちです。私も教師なりたてのころは、一文一文訳すことはなくても、そういう授業をしていました。もちろん生徒の反応は限りなく薄く、寝る生徒も続出…。苦い思い出です。

そんな中、ジグソーリーディングという活動があるらしいと聞き、色々調べてみたのです。

①4人グループをつくる。ABCDさんとする。
②読む長文を四つにわけ、Aさんは最初の部分を、Bさんは、2番目の部分を、と割り当てる。
③各グループのAさんは集まり、和訳を考える。これをエキスパート活動と言う。
④訳し終わったら元のグループに戻り、自分が訳したところを、他のメンバーに教える。
⑤最後にT or FやQ&Aなどを行い、ちゃんと理解しているか確認する。

どの実践例をみても、まあ大体こんな感じでした。
詳しくは下のリンクをどうぞ。

2. ジグソーリーディングを躊躇していた点


この活動楽しそうだと思いながら、二の足を踏んでいたのは、ある疑問点があったからです。

① 全部訳さないんだったら、その生徒が全部理解できるかどうかわからないじゃないか!

② Aさんたちが集まった時、英語が苦手な生徒は、得意な生徒に頼りっきりになり、日本語訳だけを写して、それをグループに伝えるだけ…なんの学習にもならないじゃないか!

でも、いつかはやってみたい活動でした。

3. 実際にジグソーやってみた


今年の新しい教科書はジグソーやってちょうだいと言っているような長文があり、やりやすそうだったので、意を決して、ジグソーリーディングをやってみました。

ジグソーリーディングを行ったのは三年生のunit5のガンジーの話でした。長文は7パラグラフに分かれいて、年代ごとに話が進みます。これを四つのパートに分け、ジグソーリーディングについて説明をして、T or Fをやると伝えました。また最後にガンジーのtimelineを作ることも伝えました。

エキスパート活動の時は注意として、「ただ訳すだけでなく、なぜそのような意味になるのか、単語の意味や構文などを理解するようにね〜」と伝えました。これで、ただ日本語訳を写してくるだけとならないようになることを期待して。

4. よかった点

(1) 全員が目的意識をもって参加していたこと

エキスパート活動が終わったら元のグループに戻り、自分の担当のところの日本語訳をグループメンバーに伝えないといけません。また、T or FやQ&Aをグループで解答するので、責任感が生まれます。

さすがに寝る生徒はいない…。

(2) 対話が自然と生まれる

これはジグソーのおかげもあるけど、エキスパート活動のときの「ただ訳すだけでなく、なぜそのような意味になるのか、単語の意味や構文などを理解するようにね〜」と伝えたことが、対話を生みます。

エキスパート活動では、英語の苦手な生徒から、得意な生徒にこんな質問がでます。

「なんで、そこそう言う意味になるんだ?」
「俺はこういう意味だと思ったんだけど、これじゃだめ?」

こんな対話が聞こえたら教師は全体の話し合いを止めて、「今、あるグループでこんな質問が出てたんだけど、すごくイイよねー!」と称賛すると、他のグループにも伝播します。たとえ、こんな対話がなかったとしても、あるフリをして、全体に伝えます。この仕掛けが大事かな。

元のグループに戻った時に、自信をもって日本語訳をグループメンバーに伝えていました。教師からは、「なぜそういう日本語訳になるのか、疑問に思ったら、ちゃんとエキスパートに質問してね〜」と対話を促します。

5. ジグソー後の話

読み終わった後、T or FやQ&Aに対する取り組みはよかったように思います。また、この後ガンジーの年表(timeline) を作成する活動を行いましたが、年度末のアンケートでも、やって楽しかった、力がついた活動の一つに挙げられるものになりました。

6. 改善点


(1) 最初に個人で全文読ませるべき

最初のクラスで、オーラルで軽くイントロダクションしてから、ジグソーをやりました。でも、なんとなく食いつきが悪い…

別のクラスでオーラルイントロダクションした後、個人で全文読ませたあと、ジグソーをやると、スッと流れる感じがしました。

なぜだろう…

全文読むと、なんとなく英文の意味はわかるけど、ちゃんと細かいところまで解りたい!T or Fに答えられるようになりたい!と生徒は思うようになります。知的にハングリーな状態になるわけです。そこからジグソーをやることで、「よっしゃ、話し合って解決するか!」という気持ちになるのではないかと思います。

(2) 読んだ後のタスクをどうするか

読んだ後はT or FやQ&Aに答えるので、生徒はそれなりに必死にやります。色々な仕掛けはするものの、やはりエキスパート活動でただ日本語訳を写してくるだけの生徒もいるのも確か。

私の嫁さんは大学で英語を教えていて、このジグソーをよくやるそうです。大学では、エキスパート活動で、自分達の担当部分をretellingできるようにしてくることになってるので、生徒には日本語訳ではなく、英語での要約が残ります。これだと意味あるよなあ。中学生には難しいか…。この点についてはまた思案中です。

7. 振り返ってみて

やってみると、生徒はよく活動に関わっていたと思います。

疑問点の①は、活動の最初に、全文自力で読んでみることで解消しました。そもそも精読の授業ではなく、長文の全体像を把握する力を養う活動なので、精読はまた違う活動をするべきですね。

疑問点の②は、これからなんとかしたいと思います。もし、これをお読みになった方でいいアイデアあったら教えてください!!

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