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企業価値を向上させるには攻めのダイバーシティが必要かも!?

ついに2022年4月4日から東証の市場区分が変わります。今までの4つの区分からプライム、スタンダード、グロースと3つになり、最上位がプライムの市場となってきます。
これにより企業価値の基準が変わると感じており、特にプライム市場では「ダイバーシティ」を意識した行動により、投資家から信頼を得ることに繋がるのではないかと感じています。

今までの日本市場での企業価値とは

今回の市場変更の目的は主に、投資家から投資してもらいやすくするためであります。
今までの市場区分ですと、特に海外の投資家の視点に立つと、市場だけを見ただけでは中々、企業価値を見出すことが難しく、海外からの投資が進まない要因にもなっていました。それ原因は上場の廃止基準が緩かったことや、下の市場からの昇格等により、各企業の価値を算定することが難しかったためです。
その為、今後は各々の市場の基準や特徴をしっかりと決め、グローバルスタンダードを意識しすることが、今後世界で戦うためには必要なことでありました。

改訂コーポレートガバナンスコードから見えてくるもの

市場区分変更に向け、東証は2021年6月にコーポレートガバナンスコードを改訂しております。この改定はやはり正解を意識しており、3つのポイントがあります。

  1. 取締役会の機能発揮

  2. 企業の中核人材における多様性の確保

  3. サステナビリティを巡る課題への取組み

ここで注目しておきたいのが、1と2には共通点があるところです。
「1.取締役会の機能発揮」では、プライム市場において、独立社外取締役を3分の1以上にすることや、各取締役のスキルを公表することが決まりました。
「2.企業の中核人材における多様性の確保」では、女性・外国人・中途採用者の登用についての考え方と測定可能な自主目標の設定や、多様性の確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とをあわせて公表することが求められています。
要は「同じ経験や観点でしか語ることの出来ない取締役は複数人おいては、投資家の信頼を得ることはできない」と言う事であります。

しかしながら、デロイトトーマツグループと三井住友銀行が上場企業970社を対象に行った調査では、2021年度、取締役に女性が一人もいない企業は51%、女性も外国人もいない企業は48%に上がっています。
2021年12月に東証が発表したコーポレートガバナンスコードへの対応状況結果でも、一部上場企業の67%しか、管理職人材の多様性についての考え方や目標の公表をしていないのが現状となっています。

経営にダイバーシティは本当に必要なのか!?

日本市場への投資を助言するグラスルイス社は、プライム市場で女性比率が10%に満たない企業には、2023年からトップ選任に原則反対推奨を出す言っています。
りそなアセットマネジメントも同じように、23年から女性役員がいないプライム上場企業のトップ選任に反対すると公言しております。
他にも大手運用会社や投資助言会社が同様の意向を示している状況です。

やはり今後日本企業が世界で戦うためには新たなイノベーションを生み出す必要があり、そのためには多様な経験や能力、思考が必要になってくるからだと感じます。

ヒトの価値観は日々、多様化しているのではないかと感じており、グローバル化はもちろんのこと、顧客体験や、意思決定もますます多様化してきたおります。科学的にも多様化された集団と同質化された集団とでは、アウトプットや創造性に差があるともいわれております。

また最近の動きとして、日本政府は今後、社員の多様性や人材教育などに対する企業の取り組み状況の情報開示指針を作る方針もあり、「人的資本経営」を推進する動きが国を巻き込んで行われています。

かつての昭和時代を思い返す、労働集約型産業の時代と異なり、経済のデジタル化が進む令和の現代では、個々人の持つアイディアの価値が高まっています。
性別、国籍、年齢等の概念を取り去るメタバースも注目される現代であり、今までの枠組みから抜け出せず同質化の続く企業は、今後も政府や市場の要請からその内情がどんどん可視化されることで、投資も集まらず、優秀な人材も集まらず、魅力的な製品も出せず顧客も離れ、経営に黄色信号が点滅することは容易に想像がつきます。

多様性の観点は企業成長の為には必要不可欠である!!

この多様性に難色を示していた企業は、まずは認識を改めることが大切になってきます。「他企業が実施しているからうちも渋々やってみよう」や「CGコードに記載されているから仕方なく取り組もう」なんて思っている企業はまずは認識を改め、社員や中核層に多様性を求め、
このダイバーシティとインクルージョンの考え方をもって真の価値を発揮してもらうことにより、「多様性の推進=企業成長」という方程式が成り立ち、攻めのダイバーシティが新しい時代、新しい東証の考え方にもマッチしていると考えることができます。
今後、この攻めのダイバーシティをうまく活用し、このVUCA時代を乗り越え、日本企業が成長できれば幸いです!!!

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