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【舞台】『後のこと知りたや 〜 一葉物語 〜 』

 2023年4月22日(土)、調布市文化会館たづくりのくすのきホールで、樋口一葉を題材にした舞台を鑑賞しました。『後のこと知りたや 〜 一葉物語 〜 』です。これまで樋口一葉の小説はあまりきちんと読んだことがなく新鮮でした。メモを残したいと思います。

■構成について

 舞台は、(1)生活に困窮しながらも、小説・文学を志していく一葉の半生と、(2)劇中劇として一葉の作品である『大つごもり』、が上演されました。

(1)一葉の半生について(一葉物語)

 父や兄を亡くし、戸主となった一葉は、母と妹と暮らしています。以下のようなエピソードが盛り込まれていました。
・視力が弱く、仕立てなどの内職は妹・くにが支える部分が大きかった。
・上流階級の子女が集う歌塾「萩の舎」に通い続けていた。
・半井桃水との師弟関係、淡い恋心
・自分が亡くなった後は草稿などを焼いてほしいと言い残していたが、くには保存し、出版等に尽力した。
などなど。樋口一葉の伝記や研究書を読むと、もっと重なる部分が出て来るのではないか、と思いました。

(2)『大つごもり』について

 『大つごもり』は、これまでも何度か話に聞いたことがあったのですが、今回の舞台を観て、本当に素晴らしい小説なのだと思いました。いつか原文を読んでみようと思います。

①簡単なあらすじ
 お峰は資産家に奉公している。親代わりの伯父さんが病に倒れてから借金にあえいでいるのを知り、その利子の肩代わりを、奉公先の奥様に頼んでいた。機嫌の悪い奥様に断られたお峰は、とうとう…。

②原文について
 『大つごもり』の冒頭はこうです。「井戸は車にて綱の長さ十二尋(ひろ)…」。最初は「車とは何?」と思ったのですが、舞台のセットに「つるべ井戸(滑車のついた井戸)」があり意味が分かりました。
 そして、本作の題名となっている「後のこと知りたや」は、作品最後の締めのフレーズにあたります。余韻を残す感じです。

■劇団芸優座について

 今回公演した劇団芸優座は1972年に創立された劇団です。創立50年が経過しています。1988年からは調布市に拠点を構えています。
 いつもは、北は北海道から南は沖縄まで、全国の小中高等学校をまわり、体育館などで公演されているそうです。
 また近隣の市で上演する際は観劇したいと思います。

劇団芸優座

追記が出て来るかもしれませんが、以上です。


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