価値

昔からずっと、何者かになろうと足掻いている。今は経済的に貧しく仕事もないため、ただの貧乏人。心が弱い、貧乏人。

心が弱くて貧乏って救いようがないじゃないか。
何者でもない私の生み出す言葉や文章に価値はない。

クリスマスイブに路上で歌いながら通り過ぎてゆく人々を横目に流石に心が折れそうになった。どうやら私の生み出す音楽にも価値がないようだ。1時間歌って足を止めてくれたのはたったの2人。私を知らない世間の人々の評価はとてもシビアで現実的であった。

路上で歌い始めるようになり、やっと、対して歌が上手くないことに気がついた。実は前々から知っていて、声楽からそっと離れ、歌うジャンルを変えてみた。それでも、下手くそは下手くそなままだった。
レッスンへ行く必要があることは一目瞭然だが、何せ私には収入がない。

誰もが夢を自由に描いて形にできる世の中を作りたい。それなのに、拗らせた承認欲求はいつも私の邪魔をする。

起業や団体設立だって、私はとても自分の物差しで私を評価することができないから、仲間からの「できるよ」という言葉がない限り一歩を踏み出せないでいる。

数ヶ月後の生活すら不透明な私が起業なんてしても良いのだろうか。ダメだと言いそうな人々の顔を思い浮かべては落胆する。

「今のあなたは、支援される側だからね。」
そう言われた時、心の中で静かに腹を立てた。

支援される側が
支援する時があっても
いいじゃないか。
私の価値は、私が決める
私の生き方も、私が決める

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