台湾人の友達「日本の方が深刻だよ泣」
学生時代からの付き合いである、私の大好きな台湾人の友達が、今年の初夏頃日本に遊びに来るということで、連絡をくれた。その際に、
トモダチ:「武漢肺炎 is serious, pls take care and wear mask always」と私を心配をしてくれた。
（台湾ではコロナウイルスのことを「武漢肺炎」と呼んでいるらしい。）
筆者:「満員電車に乗るのは苦痛だけど、まあきっと私は大丈夫だよ、台湾は大丈夫なの？」と返信すると、
トモダチ:「台湾より日本のが深刻だよ😭私はあなたが元気でいることを願っているよ。」
と、言われてしまった。
確かに横浜のクルーズ船の件や、ヨーロッパで日本人が差別を受けているニュースを耳にすると、結構深刻なのでは、、明日は我が身か、という気持ちになる。だが「日本だけじゃなくて、中国を筆頭にアジア全体で結構やばいんでしょ？」といった感覚も正直あった。それに、テレビをつければ毎日コロナウイルスの話題だというのに、具体的にどれくらい深刻なのかがわかっていない。とりあえずマスクをしておけば大丈夫だと思い込み、なんとなく日常を過ごしてしまっている。
▼ 東アジアの中で日本はどれくらい深刻なのか
まず3月5日時点で、香港・マカオを除く中国の感染者は8万651人（3月7日午前 現在）（参考: NHK NEWS WEB/ 中国で新たな感染者100人以下に １月20日以来）、韓国では5,621人。（3月5日午前2時 現在）（参考: AFPBB News/ 新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数）台湾ではなんとわずか42人（3月3日 現在）とのこと。（参考: TAIWAN TODAY/ 台湾の新型コロナ感染者、3/3時点で累計42人に）日々感染者は増え続けているので、最終的な人数はいずれまた変わるだろうが、東アジアの中でもこんなにも差があるとは思わなかった。
ちなみに日本で感染が確認されている患者の方の数は333人、このうち日本国籍者は291人である。（ダイヤモンド・プリンセス号乗船者を除く）（3月6日正午現在）（参考: 厚生労働省/ 新型コロナウイルス感染症について）
こう見てみると東アジア全体のうち、日本は感染者が少ない方と言えるだろう。しかし、感染者が日本の約1/7しかいない台湾において、コロナウイルスへの対策は日本よりも非常に徹底されている。
▼ 台湾ではマスクを買うのに身分証が必要
国民身分証IDナンバー（外国人の場合は居留証IDナンバー）の末尾の数字が奇数の人は月曜日・水曜日・金曜日に、偶数の人は火曜日・木曜日・土曜日に購入を受け付ける。日曜日は奇数偶数共に受け付ける。（引用: TAIWAN TODAY/ マスクの購入が実名制に、購入できるのは7日に1度で1人2枚まで）
台湾ではマスク販売を実名制で行っており、もはや誰でも気軽に買えるものではなくなっている。また、曜日によって購入者を振り分けているほどの徹底ぶりだ。
▼ 人種・国籍を問わず皆が被害者
最近では、北海道札幌市の人気ラーメン店や、神奈川県箱根町の和菓子店で、中国人の入店を拒否する張り紙が貼られていたことが問題となった。
一部の反中感情を持つ人々によって、コロナウイルスの感染者が多いということを口実に、中国人に対して堂々と差別行為が行われているという意見もあり、問題視されている。（参考:朝日新聞 GLOBE＋/ 新型コロナウイルスの流行で露わになった「世界の人種差別」）
筆者もこの前、久しぶりに銀座に行ったが、いつもの中国人観光客で賑わう観光バスがひっきりなしに到着する光景もあるはずもなく、駅から歩いている間にも全く外国人に遭遇しなかった。恐らくこのような事態で観光客が激変していることもあるが、日本に一時滞在、もしくは日本で暮らしている外国人も、日本人からの周りの目があり、外に出づらいのではないかと思う。
特に台湾人から見れば、自国より感染者の多い日本に来ること自体、感染のリスクが高い。それにも関わらず、「日本が好き」という理由で遊びに来てくれるというのだ。私は、友達が学生の時から一生懸命日本語を勉強していたことも知っているし、日本で地震が頻繁に起こっていた時期も「大丈夫ですか？」と連絡をくれた。
現在日本は、中国人と韓国人に対し入国制限を設け始めているが、もし友達が日本に遊びに来た時、そのようなコロナウイルスによる外国人差別を受けたら、彼女はどう感じるだろう。台湾人とはいえ、電車の中で避けられたり、飲食店で煙たがられる可能性は十分にある。今のところ現状は、台湾より日本の方が感染者が多いというのに。
このような時期だからこそ、人間性の真価が問われる。自分の身を守ることも大切だが、気づかないうちに、自分が差別の加害者になってしまわぬよう気をつけたい。
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