ジビエの課題をSF漫画で表現。ゴールはPDFデータを印刷して再活用sikaない!
俺たちなりのジビエ課題の表現
長野に限らずですが、中山間地域と町の関係において農作物の鳥獣被害が問題となっています。動物からしたら「山のメシが足りねぇ!町に降りて、生き延びようぜ!」でしかないんですけど、動物と人間の境界線が薄れていってるのは、複合的な要因で難しいところはあります。ジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」がそのあたり描いてるので、改めて観てほしい。
ここでひとつの解決策としてジビエの食文化が登場。おいしい鹿肉を流通させて、低脂肪高タンパク、ビタミン、ミネラルも畜産の牛豚肉よりも豊富なんて話もあるくらい身体にいいんですよね。どりゃ、山のどんぐりとか食って、駆け回ってるんだから強い。
一方で、猟師の狩りの方法、血抜き、加工場との距離感、その後の保存方法、調理方法まで、おいしい状態で流通させるための変数が高いのも事実…。
昔はそのあたりざっくりやっていたのか、長野県内においても「もらったジビエ肉は癖が強すぎて」と敬遠するイメージもあるようです。私は幸い、ジビエの先入観はゼロ。取材でめちゃうまい鹿肉しか食ってないので、良いイメージしかありません。毎月3キロぐらい食べたいぐらい。めちゃ調子よくなる。
話を広げると、食物連鎖の頂点に立っていたオオカミが絶滅してしまい、全国で鹿が爆増中。猟師は高齢化。獲った分だけ補助金はもらえるけれど、雀の涙。それでもやるしかねぇ。いっそ、世の中の人が目の前の「鹿肉」を食べるようになれば、フードマイレージの観点でも環境負荷が少なく、健康になれるはずなのに…。それでもうまくいかねーのが、現代社会の構造なんです。
「サラダチキンばっか食ってねぇで、山に入って鹿肉を食べろバカモン!」
令和の「美味しんぼ」があれば、私は海原雄山にこんなセリフを言わせるかもしれません。最近仲良くなった山岳ギルド、罠ブラザーズの川端さん&ボブさんの鹿肉マジ最高だったし、6年前に取材した岐阜高山の瀬戸祐介さんの熟成鹿肉&バール鍛造体験も今なお強く残ってます。それぐらい山×ジビエのポテンシャルは、脳と身体の細胞を強制的に刺激するなにかがある。
というわけで、こんな全体背景を伝えつつ、複合的な話をテキストで伝えることの限界があったので、今回『猪バーガーは未来の当たり前!? 2040年ナガノジビエの旅』というジビエSF漫画をつくりました。福島が生んだ漫画家・橋本太郎大先生がかわいく仕立てあげてくれました。
正直、普通にインタビュー記事作った方が楽です。圧倒的に。取材二件しながら、漫画家にインプットしてもらい、修正作業コストもかかる漫画は修羅の道。それでも私が住んでいる長野市×ジビエの取り組みを今後もおもしろく伝えて、実際に食べてもらい、少しずつでも課題に触れてもらうために、ゴールは「PDFを印刷して、自由に活用してもらう」ことにしました。そしてインタビューパートもついてます。コスト度外視!
みなさんの教育の現場でも、ともだちにでも、プリントして配ってみてほしいです。行政の中でコンテンツを再活用する文化も浸透してもらえたら嬉しい。
小さな打ち上げ花火のメディアや広告の在り方は、手離れはよくとも、次に繋がらないことが多いからこそ、人類は黙って漫画をPDF印刷!押忍!!!
●猪バーガーは未来の当たり前!? 2040年ナガノジビエの旅
https://yellmarket.yahoo.co.jp/speciallist/nagano/gibier/
●漫画PDF直リンク
https://yahoo.jp/I5khFq
--制作クレジット--
企画編集:Huuuu inc(徳谷柿次郎、きむらいり)
制作進行:好 大人(はおたーれん)
漫画執筆:橋本 太郎
WEBデザイン:橋本 太郎
コーディング:合同会社 石塚制作
--取材協力--
オーベルジュ・エスポワール オーナーシェフ/
一般社団法人日本ジビエ振興協会 代表理事
藤木徳彦さん
1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!