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“子どもの「できた!」を増やす専門家”作業療法士7人によるリレーコラム #04|読むことが苦手なお子さんへ

皆様、こんにちは。作業療法士の西井正樹と申します。原田先生からバトンを受け取りまして、お話しさせていただきたいと思います。今回は、「読むことが苦手なお子さんへ」です。

私たちは、本を読むときにどのように読んでいるのでしょうか?読むといってもいろいろな種類があり、口に出して読む「音読」や黙って心の中で読む「黙読」、意味を考えながら読む「熟読」、反対に早く読む「速読」「斜め読み」「飛ばし読み」、声を合わせて読む「共読」など様々です。学校では、音読や黙読、熟読もしくは共読が多いのではないでしょうか?どの読み方にせよ本を読むときは、1文字1文字をつなげて単語とし、単語と助詞を掛け合わせて文章とし、文章と文章を掛け合わせることで、本(物語)になります。本を読むということは目でみて(声を出して)、頭で考え、情景を想像しながらより深く意味を理解することです。読むことが苦手なお子さんに見られる、読み飛ばしや読み間違いには理由があります。

1.単語の意味を理解し、状況をイメージすることができない
2.文章(文字)から文章(文字)へスムーズに視点を移すことができない
3.音読に非常に時間がかかる
4.言葉のまとまりをとらえることが苦手

など、様々です。

まずは、ひらがな1音(単音)に興味を示し、読みを定着することが大切で、単語のまとまり、文章を読めるようになることが大切です。まずは読み聞かせなどで、視覚だけでなく聴覚を使いながら、文章の意味を親子で確認することが大切です。読み聞かせなどができてきたら、次は文章を読んでいくのですが、「1行1行を枠で囲む」や「マーカーを引く」など文章が飛ばないようにすることが大切です。

そして「読めた!!」「わかった!!」という有能感と、文章(物語)に興味を持つことが何よりも大切なことです。

ひらがな1文字の読みの定着から開始して、徐々に単語や語句のまとまりに慣れ、最終的には文章を読めるようにしていくことが大切です。そのためには、単語や語句の読み方を聞かせ、その意味を教えること、また例文などをつくることで、語彙の力を高めていくことが大切です。

次回は、高畑先生より「書くことが苦手なお子さんへ」です。お楽しみに。

文:大阪人間科学大学保健医療学部作業療法学科
西井正樹