「カーテン」ブランク小説その1
病室のカーテンが靡く。少し開いた窓の隙間から気持ちいい風が、カーテンを伝って薄手の病衣に触れる。余命宣告をされた私に対してお日様が少しでも元気でいられるよう、気持ちいい風を吹かせる努力をしてくれているのだ。無機質な白い病室では、カーテンの細い隙間から覗く、窓に映る青空がとても綺麗に見える。窓際にいる私だけの特権だ。そんな綺麗な光景に少しの夢を抱くからか、輝いて見える景色になぜか涙がこぼれる。これで何回目になるだろう。涙がこぼれてしまう回数が前より増え、気持ちの青もどんどん濃