絶対、帰ってきて
昨日、25年勤務した看護師さんが去っていきました。
笑って、手を振って。
彼女は子宮がんの診断を受けてから6年。
いわゆるがんサバイバー。
その間、ありとあらゆる治療を試してきました。
治験段階の抗がん剤も複数。
少し腫瘍マーカーが下がって調子がいいときは復職し、就業の合間に外来化学療法を続けるような状況でした。
多少、身体症状があっても働いている方が気が紛れるといって、できるだけ出勤し、患者さんにもスタッフにもいつも笑顔で接していました。
どうしてそんなに強いの?
多分、彼女を知っている人はみんなそう思っていたでしょう。
私も彼女の笑顔に接するたびに、こちらが先にうるうるしてしまって、涙を堪えるのが必死でした。
5年目に腫瘍マーカーが上昇し、いよいよ全身に転移しているようだと聞いたのは去年の秋ごろだったでしょうか。
今朝、今日で一旦長期療養休暇を取るから、夕方は見送りに来てくれと言われました。
みんな泣いているのに彼女だけいつものように笑顔でした。
満面の笑顔で写真撮影をして、彼女は去っていった。
「また、帰ってきますからね。」そう言って。
どこかでちゃんと泣けていればいいな。
恨みつらみを吐き出せていたらいいな。
我慢していたら、治るものも治らないよ。
そう心の中で念じながら、見送りました。
40歳半ば。まだまだ、若い。
絶対、帰ってきて。
あなたの笑顔を待っている人がいっぱいいるから。
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タイトル画像は”いくみ”さんにお借りしました。
まさにこんな雰囲気のかわいい看護師さんです。
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