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これは、私の話じゃないです

私の失敗談を聞いてみたいという奇特な方が約1名いらっしゃいまして。
本当は語り尽くせぬほど持ち合わせているのですが、何分こういう業界ですので、あまり大きな声で話せるものではありません。

でも、すでに時効になった古き良き時代の他人の笑い話なら、いくつか書けそうなので、思い出して書いてみようと思います。
あくまでも、他人の、しかもそれを許してくれたよき時代の話です。

***

episode1

よくある話は、くすりの投与方法の勘違い。
食間は「食事の間」と思って、ご飯の途中で飲んでしまうという。

それと似たような話です。
痛み止めの座薬を渡して、「座薬ですけど、ひとりで大丈夫ですか?」と聞いたら「大丈夫!」とお返事があったのでそのまま渡したら・・・。
ベッドの上に正座して、まさに飲もうとしていた!!! 😳

今では座薬って普通に使っていますが、私が小さいころオシリから入れるのはいちじく浣腸ぐらいだったような気がします。

episode2

似たような話ですが、1年生の看護師さんに「この薬を点鼻して」とオレンジ色のカプセルを渡しました。
あのころは、このカプセルに注射針で穴を開けて、中の成分を数滴、鼻の粘膜に落とすという方法をやっていました。(今はやってはいけません。💦)

でも1年生は、そんな裏技知る由もなく。
30分後に薬の効き目を確認しにお部屋へいくと、患者さんの鼻の穴にオレンジのカプセルが刺さっていました・・・。ひょえ~
患者さんに大事はなくすぐさま然るべき処置をしたのですが、今でもその光景は忘れられません。
(多分、同世代のNurseなら静かに頷いてくれると思う。)

episode3

研修医にもおもしろい方がいっぱいいらっしゃいました。
あのころは医師に働き方という概念はなく、指導医より先に出勤して患者さんを一通り見て回るというのが当たり前でした。

ある朝、指導医が研修医に尋ねます。
指「○○さんの今朝の様子はどうだった?」
研「いえ、行っていません。」
指「は? どうして!」
研「行ったら『面会謝絶』の札が立っていました。」
指 😓

素直すぎた彼は、立派なお医者さんになったかなぁ。

episode4

私たちの時代の「白い巨塔」といえば田宮二郎さんでした。
よく似た外科医がいたんですよねー。
めっちゃ怖かったんです。
よっぽどのことがないと周囲5m圏内には入れませんでした。

ある回診の時(ずらーーーと医師が並んで患者さんを回るあれです。)
ついていた新米の看護婦(当時は看護婦でした。)は緊張の極み。

周囲1m圏内に入り、役割を果たさねばなりません。
医師が回ってくる前に、患者さんの準備をするのです。
ゆかたを広げて、服帯をほどき、ガーゼの絆創膏をそっと剥いでおく。
なのに、それができていませんでした。

その田宮医師は大声で怒鳴ります。「前、開けて!!」
ひえっつ💦
その一言で、その看護婦の手はとっさに動いたのですが。
あろうことか、患者さんのユカタではなく、田宮医師の白衣のボタンを外そうとしていたのです。
「俺のじゃない!! 患者のだ!!」

看護婦はその場にへたり込んでしまい、後ろからズルズルと引きづられて退場。
しばらく回診係を任されることはありませんでした。


あっ、どれも私の話じゃないですよ!! ((😳))
私が遭遇した人たちの楽しい思い出話です。


タイトル画像は”すぴー”さんにお借りしました。
「白い巨塔」で検索して見つけました。
ホンモノの白い巨塔ですね。^^

※余談ですが、2024年4月から医師の働き方改革が始まります。
医師も人間、当然と言えば当然ですが、医師の偏在が問題になるかもしれません・・・。


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