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バカは嗤う

友人の結婚式がある。明日には帰省しなければならない。友人といってももはや古馴染みの親友なのだが、それは一旦置いておく。 

それはもう億劫だ。正直親友だろうが、遠い親戚だろうが変わらず億劫だ。式典、というものに対する嫌悪感たるやもう!
しかも梅雨時、ジューンブライドクソ喰…
言い過ぎた。ソシャゲのイベントもあることだし受け入れよう。しかし、それでも色々と準備が必要なのだ。そういった準備はもうどうしたって億劫だ。

カッターシャツやらなんやら必要なものの買い出しをしていた。しかし6月だというのに寒い。薄手の長袖なぞ、といわんばかりに冷たい風が貫通してゆく。
すでに嫌気が差していたが、それでもと踏ん張れたのは親友のためだろうか。自分でも気が付かないものだが、他人に対しても意外と熱いものがあるのかもしれない。

あーでもないこーでもないと、準備に対して思案していると自転車のハンドルに両足を乗っけた小学生が目の前を横切った。しっかりスピードを出しての曲乗りだ。
「ちょっと待ってよー!」
小学生は友達に向かって叫んだ。どうやら置いていかれているらしい。
いや、漕げや!その足降ろしてペダル漕げや!
小学生男子とはバカの塊だ。こっちは小学生男子だったんだからわかる。長期的な利益なんて考えちゃいない。目先の面白さに飛びつくのが小学生男子ってものだ。
勿論、そんなヤツばかりでないのは留意したいが、マジョリティ小学生男子はそんなとこだろう。
テレビなんかで女性はよく、「男ってバカね」なんて言っているが、本当に舐めないでほしい。
貴女が思っている100倍ほどバカなんだ、思考回路そのものが違う。だからわかりあえるなんてのはハナから期待しないほうがいい。

小学生男子のバカに思いを馳せながらも買い出しを遂行する。が、しっくりくるものが無かった。
はー面倒くさい。こりゃ帰ってから買い出しか?

これからのタイムスケジュールをシミュレートする。なんだか余裕のないスケジュールになってしまっていた。もっと前もって準備しろ!ともうひとりの私がツッコミを入れた。うるせえなあ、気乗りしないんだから仕方ないだろ!ともうひとりの私に反論する。
正しいことばかり言うもうひとりの私。そんなもうひとりの私に無茶苦茶なことを言いまくる私。裸で式に参列してやる、とか。ふくさは生肉にしよう、とか。
どうしても脳内で自分と会話してしまう。どうやら脳内会話中はとても集中しているようで、視覚情報は入ってくるのだが、人の話やアナウンスなどが全く入ってこなくなる。だから、電車に乗っているときは無で乗っている。

家に帰っても、準備は何一つ終わっていない。
結婚式の楽しみがスベったスピーチを見てゲラゲラ笑うことしかない。うーん困ったな!ワハハハ!


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