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心の中に、いつもインド人男性を

3年ほど前からか、私は常にインドの風を感じている。
そもそもインドにあまり興味がなかったし故郷ではあまり触れる機会がなかった。自分の趣味嗜好を考えてもわざわざ触れないな、とも思う。
だが、上京して常にインド文化を目の当たりにする環境にいると段々と関心が湧いてくる。インドの風が吹きっぱなしだ。

時は来た。私は意を決してインドを訪れた。インドの風は最大瞬間風速の記録を更新して、私の背を押した。
衝撃だった。インドはこれほどまでに良いのか、と。それ以降、私の心の片隅に小さなインド人男性が住み着いた。彼はいつも私の心をスパイスで充満させる。

これはインド料理の話だ。実際タージマハルにもガンジス川にも行ったことはない。だが、小さなインドはそこにあったのだ。

以前から気になっていたインド料理店の前でメニューを見ながら悩んでいた。入ってみたいが、外れたらどうしよう。初見の店あるあるな悩みを抱えながらメニューとにらめっこしていた。
すると、中から店主らしき人が出てきた。「どうぞ」と少しカタコトな言葉で店内へいざなってくれた。そう言われてしまっては入店するしかない。店主に導かれるままに、初めてのインドを体験し、価値観を良い意味でぶち壊されることになった。


過去にもインドカレーを食べたことはある。だがカルチャーショックを受けたのは実はカレーではない。

ビリヤニだ。
ビリヤニは米料理で、日本の米とは違う細長い米を使う。よくチャーハンだの混ぜご飯だのと言われて
いるようだが、製法的にはパエリアに近いようだ。

ビリヤニの解説についてはこちらの記事が詳しい。

ビリヤニはスパイシーだ。一口目からスパイスが激流のように襲ってくる。二口目を口に運ぶ頃にはもうビリヤニ中毒患者になっていることだろう。ビリヤニはそこそこ辛い場合があるので、ライタ(キュウリなどの野菜をヨーグルトで和えたもの)と一緒に食べるとより深みにハマるはずだ。
メインとなる具材で、ビリヤニは表情を変えてくる。店によって個性も出てくるが、ビリヤニニュービーならまずはチキンのビリヤニからおすすめする。

ただビリヤニは量が多い。定食屋の大盛りサイズくらいで出てきがちだ。胃袋に自信ありな腹ペコBoys&Girlsなら問題ないだろうが、自信がないなら複数人でシェアをしよう。

インド料理に出会ってから、自分の食事の嗜好が広がったと思う。和洋中で充分だと思っていたところを真正面からぶち壊されし、飯で迷ったときは心の中のインド人男性がナンを練っていた。

それから時が経ち、私は油断をしていた。これ以上私の心に誰も移住してこないだろうと。

次回、メキシコに抱き寄せられるの巻。




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