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#7 お子様が1歳になりました

ファイル 2020-05-09 5 59 44

子供が生まれてから1年が経ちました。
最初は全く動けなくてその場でシタバタ動いて、それが楽しそうで何よりも可愛くて、永遠に見ていられるな。なんて思って気がついたら1日が終わっていることが何度もありました。そんな呑気な気持ちで子供を見ているのに対して子供の成長はとてつもなく早く、どんどん出来る動作が増えて目が追いつかない程のスピードで僕らに近づいて来て、その近づいてくるスピードに「ちょっと待って!」と思いつつも、僕らの動作に追いつこうと真似して身につけているのかな。と都合の良い解釈をしながら子供を見ていると尊い気持ちにもなり、とにかく1日1日を無駄に出来ない。これは暖かい夢なのか?と思うくらいボーッとした気持ちを現実としてはっきりくっきり目を離さず焼き付けておこうと思う毎日です。(実際はてんやわんやで振り回されてじっくり見るとか出来ませんが。)

毎日毎日あなたに会いたくて仕方がない。離れているとふと顔が見たくなりスマートフォンに保存してある写真を眺めたり動画を再生したりしてしまいます。会社のデスクに子供の写真を飾ったり、定期入れに子供の写真を入れてニヤけたりする大人にはならないだろうな。と何となく思っていたけど近いものになってしまった。毎日帰宅するのが楽しみで、家に着く頃に子供が寝てしまっていても妻から今日の子供の状況を聞くのが楽しい。今日は階段を登り始めてハラハラした。とか、お菓子を私にくれようとしてフェイントをかけて自分の口に入れていたよ。誰から学んだのだろう?とか(きっと妻です)冷蔵庫から野菜を出していたらプチダノンを奪って歯で蓋を開けて食べていた。とか。今日も元気に無邪気に子供は動き回って、妻もその元気に振り回されていたのだな。と思うと、生きているのだな。と安心します。安心する度に自分自身から愛が顔を出しているのを感じます。

1年前に子供を抱いている妻を見た時は、花束を抱えているみたいだ。と思いました。でも今は子供が花を一輪一輪渡してくれて、それが1年経って抱えきれないほどの花束になったように感じます。つい最近までは、子供を笑わせようと子供の気を引こうとおもちゃを与えたり、踊ったり驚かせたりと必死だったのに、ふとした瞬間に子供がタオルを持って自分の顔を隠して「あうあう、あー!」といないないばあをして来たり、絵本を持って指を指して「あ・あ!」と読み聞かせてくれたり、急に物陰に隠れてかくれんぼを始めたり、子供が僕や妻を楽しませてくれるようになりました。その時に感じた子供の精神的な成長は一生忘れません。僕らを喜ばせてくれた時の子供の純粋な笑顔を見た時は、僕自身もこの気持ちを取り戻したいと思って今までを振り返ってみたりして、でも子供が笑顔で喜ばしてくれたのは、僕や妻や家族や友達がそうやって子供を喜ばしていたからなのだろうな。とも思いました。

今その子供は動きたくて仕方がないと抱かれている身体をほどいて動き回るようになり、子供に追いかけられたり、子供を追いかけたり、あれを取ってくれとかあれが欲しいとか、育てているというよりも子供の指示で動いているからこちらが教育されているようだなと感じる事が多々あります。仕事でも「後輩を育てる秘訣は、自分も成長するという気持ちで接する事だ。」とありますが、子供もそうかも知れません。自分が辿って来た道であるはずだけど、時代も違うし、子供と僕らは違う人だし、何よりもそんなに覚えていないし、一から子供と自分を見つめながら一緒に生活して行くしかないのかな。それはとても楽しみだな。と思います。

2年ちょっと前、子供が欲しいと妻に言われた時、とても悩みました。生まれた子供は幸せなのだろうか。世の中には理不尽な事が沢山ある。知らなければいい事に踏み潰される時もあるだろう。だったら最初から……と考えていました。しかし、妻と何度も話合い、この人となら大丈夫だろう。と決心をしました。そして、子供が生まれた時「会いたかったよ。ずっとずっと会いたかったのだ。」と心の底から湧き出るように思いました。そして生活をしていく中で妻がまるで親友なのか?と思うくらいに子供と遊んだり会話をしたりご飯をあげたり振り回されたり愛情を交換しあっているのを見ていたら、この人と子育てが出来て良かった。この人と生活が出来る子供はきっと幸せだろう。と思ったのと、ケラケラ笑って、不満があったらすぐに泣いて怒ってズンズン興味を我が物にして全身で生きている子供と一緒に生活をしていたらその不安はいつのまにか元気に好きなことをして無邪気に生きられるようになって欲しい。そうさせたい。と前向きな気持ちになりました。

子供から貰った沢山の花は、持っていると肝心のあなたを抱くことが出来ないから、大切に家に飾っています。家がこんなにも華やかなのはあなたのおかげです。全ての場所が遊び場であるあなたがこれからどんな遊びを覚えていくのか、何を拾ってくるのかが楽しみです。色んな場所、景色を見に行こう。1年間ありがとう。