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フィリピン シャルガオ島から〜優しさの連鎖〜

シャルガオ島はフィリピンのミンダナオ島の北東部にある島。島はフィリピン海溝の端に位置しており、非常に深い海域によって常に海のうねりがある。そこはサーフィンにはとても適している島だそうだ。

サーフィンの首都とも言われているシャルガオ島。その中でクラウド9は有名なサーフスポットだ。

しかしコロナ禍により2020年3月からロックダウンが始まり、観光客が減少した。観光地で働く人々は無職になった。ただ、観光地として栄えていたとしても、元々の賃金は低く、その日暮らしに近かった。

1日の給料は500ペソ(1,000円)で家族6人を養うような暮らしで、週に4回働いたとしても、食費にもならない。もちろん貯金もできない。

フィリピンでは子どもが多い。そこに住むスラム街の子どもたちは充分に食事が取れず、段々と痩せ細っていった。

その姿を見た、現地に住む日本人、フィリピン離島のママさんという方がその子どもたちに炊き出しを2020年12月から始めた。

実際、彼女の旦那様も観光業だったため、ほぼ無職になった。けれども彼女の働きを応援してくれている。

現地の子どもたちは野菜を食べない。子どもだけでなく、大人も野菜を好まない。入っていると避けて食べる。そんな彼らに野菜をもっと食べて欲しいと、週に一度ボランティアで炊き出しでカレーやシチュー、鍋などを提供している。

野菜を切るのに、子どもたちが率先して手伝ってくれるようになった。そして今では後片づけもしてくれるようになった。そしてあれだけ野菜が嫌いだった子どもたちが切ったにんじんをつまみ食いするようになった。

島の子どもたちはロックダウン以来しばらく学校に行けていない。もちろんリモートもない。ボランティアの人たちが子どもたちの学習の手助けをしているそうだ。学校からは一応宿題が出ているそうだが、やっていないと子どもは言う。対面で授業を受けないと、理解の度合いが違うと言っていた。

この島には感染者はいない。村の中では誰もマスクはしていない。

彼女はこう言っている。

一時的な支援かもしれないけれど、偽善と言われるかもしれないけれど、いっぱい食べて、いっぱい笑って、少しでも幸せを感じてほしい。けれども人間一人では何もできない。応援してくださっている皆様ありがとうございます。

「ありがとう」と子どもたちが言う。どんなにお腹が空いていても並んで自分の番を待つようになった。

フィリピンでは感謝の気持ちを伝えられない人がいるそうだ。順番も待てない。そんな彼らが変わってきた。

日本ではどうだろう。私もちゃんと伝えられているだろうか。最近はスーパーであろうと、コンビニであろうと、買い物をしたら店員さんに「ありがとうございます」と伝えるようにしている。

買い物したのは私なんだけれども、わざわざレジをしてくれて、会計をしている店員さんに感謝を伝える。それがなんなんだと思うけれど、お金を払ってるから当たり前、なんてなりたくなくて。

店員さんの中にはそれを聞いて逆に驚いて無言になり、何も言わない人もいるからおもしろい。

YouTubeへの登録が彼らへの支援になる。

ここにも私が探している空があるのかもしれない。

つづく

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