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定年退職からのライフプランを書き出してみましょう [その2]

 前回は、教育費が山となるステージまでのライフイベントを書き出してみました。今回は子どもの独立からセカンドライフについて、年金で暮らすステージに、考えておきたいことをまとめます。

■ 子どもの独立

 子どもの独立や結婚で夫婦2人の生活に戻ります。子どもが同居の場合も、自分たちの今後の生活を考えましょう。
 退職後の生活(小さな家計)への準備時期、持ち家の築年数によってはメンテナンスの計画[メモ]も必要になってくるでしょう。

この時期のライフイベントの例
 定年退職・再就職・起業・パート(いつまで、どの程度、働くか)
 旅行(国内・海外)・趣味(授業料、材料費など)
 身辺整理・車の買い替え(軽自動車やシェアカーなどの検討)
 家の改築(バリアフリー)や修繕・家電の買い替え時期確認

■ 年金を基にした生活

 限られた年金収入で暮らすとき、長い間続けてきた予算生活や生活技術が役に立ちます。
 人生100年時代は、アクティブに活動できる「セカンドライフ」と、支援が必要になりはじめる「サードライフ」に分けて考えるとよいでしょう。前者では体力のあるうちに実現したい旅やお墓の問題などのほか、老いの住まいをどうするか?を、具体的に検討をすることも必要でしょう。後者では大病した時の備えや、義歯、補聴器などの心づもりを。

この時期に検討したい項目
・大きな支出の目処をつける(住宅ローンはいつまで?)
・生命保険の見直し(要介護になった時に保険金は? 死亡保障は必要?)
・親の介護・子どもの結婚・孫の教育支援
・老いの住まい(施設か自宅か)
・要介護・入院が必要となった時・一人暮らしの場合には後見人
・もしもの準備・遺言作成・葬儀・お墓

シニア向けのライフイベント表がダウンロードできます
 『明日の友』229号 生活特集「人生後半の安心生活 してよかった30のこと」の末尾に掲載したライフイベント表です。
 下記のリンク(『明日の友』のブログ)よりダウンロードできます。

 ダウンロードして印刷して書き込むもの( PDF)と、ご自分でアレンジできるエクセル版があります。したいこと、するべきことを整理しておくために、ご活用ください。

[メモ ] 意外と高額!! 戸建て住宅の修繕費用
 不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区)が2016年に発表した調査(*)によれば、自宅修繕にかけた費用の総額は平均 556 万円でした。修繕回数を 1 回以上と回答した「修繕経験者数」の多かったのは、1 位「外壁」84.4%(一回のみの人の費用平均 100万) 、2 位「給湯器」83.2% (同37万円)、3 位「トイレ」76.0%(同50万円)、「お風呂」76.0%(同106万円)、5位「屋根」74.5%(同110万円)となっています。
*木造の新築一戸建てを購入し、30 年以上住んでいる人 495 名を対象にした、「一戸建て修繕の実態」に関する調査。

築42年一戸建てのAさんの場合、約700万円を支出

 現在75歳のAさんは、年金生活となってから、100万を超える住宅修繕は3回、その他、小さな修繕を含めると、支出合計は約700万円に。1回目は、屋根・外装木部塗装、全室天井・壁クロス・襖の張替、雨戸・戸袋補修で、181万3000円。2回目は、屋根修理に145万円、3回目が、外装・ベランダ塗装に156万6000円。

おひとり様なら、「終の住まい」「死後事務」への備えも

 支援が必要となる「サードライフ」では、地域のサービスを活用することになります。アクティブな「セカンドライフ」の時期に、地域の介護力を調べておくことは大切です。また、一人暮らしの高齢者が増えてきたため、各地の社会福祉協議会(社協)などが、亡くなった後の葬儀や家財の処分、行政への届け出などの「死後事務」を引き受けるようになっています。生前に委託契約を結びますが、預託金50万円強かかります。また、同時に、生前から見守りや入院などの支援も行っていますので、お住まいの地域で、こうした活動をしている団体を調べておくとよいでしょう。 ※以前アップした「貯金0から年金生活に備える」の記事も参考に。


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