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ライフプランを書き出してみましょう [その1]

 家族一人ひとりのこれからの成長、変化を書き出してみると、いつ何にお金が必要で、いまは何を中心に家計を考えたらよいかが見えてきます。2回シリーズで紹介する「ライフプランを書き出してみましょう」。
 第1回目は、子どもの教育費がかかるステージまでについてです。

ライフステージごとに大切なことは?

■ 独身、新婚家庭のころ
新婚家庭の場合、別々に育ってきた二人の家計の考え方は違って当然。家計簿をつけながら時間をかけて、よりよい方法を見つけていきましょう。
病気や社会情勢での収入減や、事故や転勤などで急な出費があるときなどに役立つのが「生活準備金」です。収入1年分を用意したいのですが、まずは3カ月分を目標に準備しましょう。

■ 子どもの誕生から幼児期
義務教育が終わるまでに、「生活準備金(収入の1年分)」のほかに、教育費や住宅購入の基になる貯金を計画的にしましょう。「生活準備金」は安全資産でもち、将来のための資産形成にはNISA(少額投資非課税制度)の活用も検討してみましょう。

■ 子どもの学校生活期
塾や習い事など、周囲や時代に流されず、子どもをよく見て教育方針をもちたいものです。
また、そろそろ落ち着いて住む場所を考える時期。転勤の多い人もいつ頃に家を持ちたいか、資金の準備はどうするかなど、夫婦で話してみましょう。

■ 子どもが大学生、社会人になるとき
教育費の山を迎え、支出が収入を上回ることもあります。何のために進学するのか、親子でよく話しましょう。
親が教育費を全額負担するばかりでなく、奨学金や子ども自身のアルバイトなども検討課題。子どもの独立準備のために心がけることもありそう。一方、親も年を重ね、冠婚葬祭などの費用も増え始めます。

ライフプラン表のダウンロードはこちらから

『かぞくのじかんVol.51 (2020年春号)』掲載の2020年~2042年までが書き込めるライフプラン表を以下でリンク先(かぞくのじかんのブログ)からダウンロードできます。A4用紙2枚に印刷して、つなぎ合わせてご利用ください。


※雑誌『かぞくのじかん』(3月、6月、9月、12月発売)では、「お金の学校」を連載中です。

■ライフプランの書き方
1.家族の名前を書く。名前の横の列におとなは年齢を、子どもは学年を書く。
2.ライフイベントには、卒業・入学の年、住まい(購入予定、住宅ローンの返済、住宅修繕費用など)や車(購入予定や車検など)を記入。その時々に必要となる費用の予想金額も書けるとよい。
3.積立預金・保険などの毎年の積立額、満期の予定を書く。目標金額を書くのもよい。

ライフプランで見えた! 住宅・教育に年300万円以上が必要な11年間

 40代を目前に、ライフプラン表に、住宅ローン(30年間、年間100万円、65歳完済予定)や、10年ごとの屋根や壁の修繕費などのメンテナンス代、車の買い替え計画を書き込み、10歳、6歳、2歳の3人の子どもの将来の教育費を見積もってみたAさん。子どもは、全員、公立高校を経て、1人暮らしをしながら、国立大学に通うことを想定。実際に書き出してみると、第一子が高校3年生になる年から少なくとも11年間は、住宅・教育に関する費用に毎年300万円以上が必要ということが見えてきました。
 Aさん夫婦は「どのように乗り越えるか」を相談。まずは、生命保険の契約内容の見直し、教育費のピークを迎える前に住宅ローンを繰り上げ返済することに。そのために、子どもが小さいうちから毎年の貯蓄目標額を定め、妻も保育士の資格を活かして短時間勤務を始め、家族旅行は近場で費用を抑えるなど、具体的に数字に落として検討することができました。

まとめ

 「未来のことを考えてみる」というとなかなかイメージが湧きづらいかもしれません。ただ、実際にライフプランに書き込んでみると、自分や親、子どもの年齢などから、具体的なイベントや費用が大まかに見えてきます。収入と支出のバランスを予想して、その中で「わが家では、何を大切にしたいか」を考えると、無理のない将来設計が生まれるきっかけになりますね。


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