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予算を飾り物にしないチェックポイント

 予算を立てるとき何を考えて予算を立てますか。次の年の予定を考えて、わが家に入ってくる収入の予算をもとに、貯金も含めて必要なものは何かを考えて予算をたてましたね。
 新しい年が始まってから3カ月、日々の記帳が基本ですが、記帳しているだけでは、予算は守れません。家計簿を暮らしに生かすためには、具体的には何が必要か。東京第一友の会(『婦人之友』読者の集まり)家計グループの若松紀子さんにアドバイスしていただきました。

「家計簿と向き合う」とは、どういうことをするのですか?

 「家計簿と向き合う」というのは、記帳したものを予算と照らし合わせながら「見る」ということです。「生活はなかなか予定通りにいかない」ということは、お金の使い方も同様に予算通りにはいかないということです。『羽仁もと子案の家計簿』では予算と見比べながら、記帳することを大事にしています。それが家計簿と向きあう第一歩です。

集計したら、予算との照らし合わせを

 日々買い物などで出ていくお金もあれば、定期的に出ていくお金もあり、年に何回かのお金もあります。食費のように日々出ていくものはせめて一週間単位で予算と照らし合わせます。一週間単位で予算をオーバーしていれば、それからは気をつけることが出来、そうして1カ月終わって予算内で収まれば達成感を得られ、予算を守る励みになります。
 1カ月の集計、また3カ月区切りで集計ができたら、すべての費目を予算と照らし合わせて、オーバーしているものがあれば、それから気をつけることが出来ます。

① 1~3月と記帳したら、3カ月集計をして、1カ月平均を出してみましょう。予算との照らし合わせをします。
② 予算オーバーの費目はありませんか? その原因を考えてみましょう。
 ・A  突発的な事情?
 ・B  衝動買い?
 ・C  ゆるゆるとオーバー?

 記帳は、家計簿をつける目的ではなく、家計を健全にする手段ですね。
 予算には、その年をどう暮らすかという決意が込められているので、予算の具体的な数字と、実際の支出額を突き合わせてみることに意味があります。つまり、自分の家の家計を健全にする目的を果たすには、予算との照らし合わせがとても大切なのです。
 予定していなかったやむを得ない事情で大きな出費があり、赤字になった時は、同じ費目の枠内で、予算に組んだほかの予定を来年に延期するか、出費する予定の金額を改めて検討し、縮小を含めて見直して、純生活費の年間予算の枠をオーバーしないようにします。衝動買いで赤字になった時も、同様にします。家計に底をつけるとはそういうことです。

「予算にないものは買えない」と心得る

 買いものはお金でするのではなく、「予算で買う」と考えましょう。その意味で、予算にあるものは安心して買えるし、予算にないものは買えません。これが『羽仁もと子案家計簿』の特徴です。手元にお金がなくても買いものができる時代です。予算にないものを買う必要が生じたら、予算にあるほかのものを買わないぐらいの覚悟が必要です。

予算は変えないと決心をする

 予算オーバーすると、その費目について、つい気持ちが緩んで、もう仕方ないとあきらめたり、逆に、赤字のまま1年過ごすのはいやだから、途中で予算を立て変えたいという声も聞きます。しかし、この機会に予算オーバーの理由に向き合って、原因を自分の言葉で書きとめ、その後の家計を引き締める工夫を考えましょう。
 「今年はどうせ赤字だから」と、ずるずると赤字を増やしていいということでは決してありません。 
 どんなにていねいに予算を立てたつもりでも、すべてを予算に含めることは至難の業です。予算に入っているものは支出する時に金額を照らし合わせ、金額の小さなものは、日々の記帳の中で予算差引額を注視していく必要があります。漠然と記帳するのではなく、こうして予算と照らし合わせをすることこそ、家計簿記帳の「醍醐味だいごみ」であり、予算を守れたら達成感を得られます! 支出が予算をオーバーしても収入は増えません。貯金が予定通りに出来なくなります。
 ていねいな予算を立ててあればオーバーの理由もはっきり見えます。どんぶり勘定的な予算では、使いすぎたという数字だけがあって、原因を見極めるのが難しいのです。

3カ月集計での振り返りが大切なのは・・

 3カ月集計が出た時点で、予算を超えていることがだめなわけではありません。3カ月というタイミングでわが家の家計簿の数字を見直すことは、買い物の傾向がわかり、買い過ぎや余裕のある予算などが見えるためです。そこから注意すべきポイントがハッキリします! 4月の今なら、予算オーバーも、暮らしの軌道修正で取り戻せる手立てが見つかります。

「家計簿は生活を風通しよく、前向きにしてくれます」では、若松さんの「家計簿で身につく 一生トクする4つの知恵」を公開しています。合わせてお読みください。


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