オンサイト国際会議参加で注意すること(2022年5月時点)
現地開催される国際会議に2年ぶりに行ってきました
海外での出入国規制が緩和されて、現地開催での国際会議が増えてきたため、参加してみてどれくらいのコストがかかるかを見積もり今後の行動方針する意味も込めて、2022.05.14から05.26の約2週間、ドイツのハイデルブルク、フランスのパリ、スイスのチューリッヒを旅して帰ってきました。この記事では2022年5月時点での情報に基づき、2年前以前の海外渡航に加えて気を配らなけらばならない5点に関して紹介します。
1.日本出国時
基本的には行き先の国の入国ルールに従います
多くのヨーロッパの国は各国が指定するワクチンを3回接種している場合は入国時のPCR検査の陰性証明を求めていません(2022年5月時点)。私は日本からドイツへシンガポールを経由して(トランジットに関して以下で詳しく触れます)フランクフルト空港へ行きましたが、ドイツが陰性証明書を求めていなかったため、ワクチン接種の電子証明書を政府が準備した「新型コロナワクチン接種証明アプリ」で表示できるようにしておくだけで済ましました。行き先の国の入国ルールは原則大使館のHP(参考:在ドイツ日本大使館の出入国関係(入国制限措置等))から最新の情報を確認してください。
Twitter等SNSで各国の世界の歩き方の特派員さんたちが積極的に情報発信なさってくださっている場合があります(参考:フランスの特派員さん @arukikataparis)。
2.フライト
直行便の本数が減っています
まず、コロナの影響で2年前よりも飛行機の便は減っています。たとえば、毎日出ていた直行便が2日おきになっていたり、停止したりしているのでGoogle Frights等で目的地へ行く便を何日分かチェックしておき、ざっくりと法則を掴んでおくとよいです。
トランジットの国のルールは要チェックです
直行便がない、あるいはあるが航空券が異常な価格の高騰でトランジットをする場合は、注意が必要です。トランジットのみで空港から出ない場合でも、国よってはあるグレード以上の医療保険への加入証明書、PCR検査の陰性証明を求める場合があります。トランジットのルールは各国大使館および利用する航空会社のHPから最新の情報を確認してください。多くの場合、航空会社にトランジット時に必要な情報がまとめられています(参考:エティハド航空)。トランジット時間が24時間を超える場合は各空港がしている利用時間を超えてストップオーバーにならないように注意してください。ストップオーバーで入国が必要な場合、入国するための書類が必要になることが予想されます。
3. 国際会議中
主催研究機関によって対応が異なります
基本的には国際会議のHPの「Corona and COVID-19 information for on-site events」等の項目をきちんと読んでおく必要があります。たとえば、今回参加した国際会議では初日のRegistrationで抗原テストの陰性結果と会議中室内でのFFP2マスクの着用を要求されました。国のルールに加えて研究機関独自のルールもあるので注意が必要です。
4. EU内の国移動
マスク着用義務の適用範囲が各国によって異なります
3カ国を長距離鉄道を利用して陸路で移動しました。初めに訪れたドイツは公共交通機関でのマスク着用が義務化されていました。一方、次に訪れたフランスはその週初めから公共交通機関でのマスク義務が撤廃されており、ハイデルブルクからパリの長距離列車では乗車時はマスク着用者が多く、パリに近づくにつれ、着用者は徐々に減ってきました。パリのメトロではマスクを着用している人のほうが珍しいという状況でした。最後に訪れたチューリッヒは2022年3月頃にはすべての場所でのマスク着用義務が撤廃されていました。このようにヨーロッパの各国で対応に差が出ています。国境を跨いだ移動が簡単だからこそ、それぞれでの国のルールを逐次把握しておく必要があります。
5. 日本入国時
MySOSを用いたファストトラック制度を活用するとスムーズに入国手続きが進みます
政府が利用を呼びかけているファストトラック制度を利用して、今回は入国しました。ファストトラック制度とは、入国前に専用アプリMySOSに必要事項、
質問票の記入
誓約書の記入
ワクチン接種証明書の有効性の確認
出国前72時間以内の検査証明書の有効性の確認(検査証明書は日本が用意したフォーマットでの提出が求められます。PCR検査を行う際に現地の方に頼みましょう。自分の場合は前例があったらしく相手が要領を得ていたので簡単でした。)
を事前に済ませておくものです。入国時に5つぐらいの関所がありますが、MySOSの画面を表示させておくとスムーズに通過して入国時の唾液検査に進めます。
入国時唾液検査
今回私はPCRの陰性証明に加えて入国時に唾液検査をすることを知りませんでした。その場で唾液を容器に入れて、結果が出るまで30〜40分待機させられます。結果は陰性の場合番号がアナウンスされます。
*2022年6月1日より水際対策が緩和され、特定の条件で(多くのヨーロッパからの帰国は該当する)、入国時唾液検査が免除されることが明らかになりました。ただし引き続きPCR検査の陰性証明書は要求されます。
入国後の公共交通機関利用
ワクチン接種と入国時唾液検査が陰性でヨーロッパからの帰国の場合、空港からの公共交通機関の利用が可能です。厚生労働省が発表している条件に従います。
まとめ
以上、ヨーロッパへの往復時の自分が行ってみてわかった注意点を説明しました。一番の肝は日本帰国時のPCR検査陰性証明だと思います。PCR検査の結果は半日程かかり、基本的に現地で有料で受けることになります。(このため、帰国時にはいつも以上に時間的な余裕が必要です。)仮に検査結果が陽性の場合、飛行機への搭乗が許可されず、現地での自主隔離が求められ、リスクが高い状況です。ヨーロッパではマスクの着用義務がどんどん緩くなっているため、感染する可能性はより高くなっていますので帰国間際には神経質にならざるおえないです。
そうはいっても、この2年の中では最も条件が緩和され、国際会議への現地参加が現実的なものになってきました。個人的には現地参加できて、オンサイトの国際会議が戻ってきたと感慨深くなると同時に、ネットワーキングもたくさんできて大変充実した旅になりました。
この情報が皆さんに有益なものになることを願っています。特にコロナで現地開催の国際会議にで行けていないEarly career の研究者に届くと嬉しく思っています。みなさんよい旅を!
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