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「毒親」という言葉について

みなさんは「毒親」という言葉について、何を思いますか?近年、「毒親」というワードがよく使われるようになって、#毒親 #毒親育ち などのハッシュタグで世に出される動画や記事も多くなってきています(私もその1人)。

今回は、自分の活動でかなりの頻度で「毒親」という言葉を使いまくっている架橋セツナが、「毒親」という言葉について考えることについて書き記したいと思います。

「毒親」という言葉の起源

1989年にアメリカのカウンセラー、スーザン・フォワード氏が“Toxic Parents”という言葉を使い始めました。著書『毒になる親』では、Toxic Parentsがどのような心理で子どもを蔑ろにするのか、そしてその親に育てられた子どもにはどのような影響があって、どうやってその影響を取り除いていけばいいのか、といったことが書かれており、親子関係のカウンセリングのプロフェッショナルであるスーザン氏の毒親育ちへのメッセージを読み取ることができます(解説動画はこちら)。

このスーザン氏の言葉”Toxic Parents”が日本語に訳されて「毒になる親」となって日本でも徐々に広がっていき、よく使われる中で最終的に「毒親」となったわけです。

スーザン氏は、「子どもに対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親」を「毒になる親」と定義しています。あまり明確な定義ではありませんね。家庭によってさまざまなパターンがあるから、明確な定義はしない方がいいのかもしれません。

とはいえ、使い始めた張本人が明確な輪郭を私たちに提示してくれなかったことで、簡単に「毒親」という言葉が使われるようになっているという現状があるんですよね。

セツナが「毒親」という言葉を使う理由

ここで、なぜ私が「毒親」という言葉を使うようになったか、という話をしますね。

私は、過干渉・過保護・ヒステリーな母親のもとで育ちましたが、日常的に暴力を振るわれているわけではなかったので、苦しんでいる自分に自己嫌悪を抱いていたんです。本当は私のわがままでしかなくて、我慢するべきなんじゃないか…と。

そこで出会った「毒親」という言葉。虐待と毒親は非常に深い関係があるとはいえますが、毒親というワードの方がより使う時のハードルが低いように感じられて、自分の親が毒親だと、すんなりと認めることができたのです。

自分の今までの葛藤も含めて、「毒親」という表現がいかにふさわしいか…。人間は言葉を介して世界を認識するんですよね、「毒親」という言葉を知ったことで自分の世界の認識が一気に変わったのを覚えています。

それがきっかけで、私は毒親という言葉をよく使うようになりました。それ以上にふさわしい言葉が見つからないから、というのが主な理由ですね。

世間の声

しかし、私は「毒親」という言葉を使うことについて、世間では否定的な意見もあるようです。親を否定するな、とか、育ててもらった感謝が足りないからそんなことを言えるんだ、とか。

こういう「親に感謝をしろ」系統の言葉には、私もたくさん傷つけられてきましたが、これは家庭によるだろ!と強く思うことで否定できます。そうではない、別の意見を聞いて、私はある時ハッとしました。

「毒親」という言葉を安易に使いすぎることで、
本当に深刻な家庭が埋もれてしまうのではないか

「毒親」という言葉が一気に広がって、気安く使えるようになったことにデメリットがあるだなんて、私はそれまで思っていませんでした。確かに、言葉は軽々しく扱われれば、その深刻さがどんどん失われていきます。謝罪と一緒です。そうか、そんな考え方があるのか…と衝撃を受けました。

それでも私は

それでも、私は「毒親」という言葉を使い続けることにしています。

確かに、軽々しく口にする言葉ではないでしょう。しかし、誰かが声を上げなければ目に留まらないと思うんです。毒親はこれだけ子どもに影響を与えるんですよ、子どもはこんなに苦しんでいるんですよ、ということを発信しなければ、毒親は減ることはないでしょう。

また、虐待を受けている、と打ち明けるハードルが高すぎる世の中も問題だと思いますが、比較的軽く悩みを打ち明けられる「毒親」という言葉を知ったことで、気持ちが楽になった人が私以外にもいると思います。

そういう人を増やすためにも、積極的に使っていきたいと思うんです。ただ、使う上で、軽々しく使うのではなく、スーザン氏の定義にたまに立ち返ってみることも大切にしたいとは思います。

なんて、昔考えたことを、スーザン氏の著書を読んで思い出したので、書いてみました。自分の言葉に責任を持たない毒親のようにはならないようにしたいですね。

<今週のセツナ>

精神を病むと心臓がきゅぅぅって痛くなって真っ黒になる感覚に陥るんですよね(心臓に痛覚がないのは知っています)。どなたか共感いただけないでしょうか…。今までにわかってくれた人が2人しかいなかったんです…。最近またそうなっているから、現実逃避できる小説が欲しい…(本好きの下剋上を読み終えてしまった)。

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