【詩】夢のなかに
やがて空を見上げ ひとを呼ぶ声が
葉擦れのように騒いでいる
それは赤色矮星の瞬く間に
うつらうつらした 僕の見た夢
煙草をくゆらす 林道に馴染み
結露した夜の 不純な吐息が
ただ 冴え冴えとしている
ひとつの街灯に垂れ下がる
人肌恋しい光束よ
お前は僕に今を充てがう
標もなく 懐かしい匂いばかりが
過ぎていく 景色は佇むばかり・・・
雲は低く 僕の鼻先を掠めた
ああ 郷愁が瞳のなかに
ひとすじの光のように
弱々しく 佇むばかり・・・
うつらうつらした 僕の見た夢
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