【詩】夜の淵に

身をもたす夜の淵に
窓辺の良い空気が
ささめく夢の一切れを
優しくふるわせて
僕の泉に 淡くひたす

ほころんだ水面の影に
血潮は無限に弾き遊び
ああ 朽ちた螺旋の階段よ
若さに満ちた 冬の夕に
お前は僕を別れさす

しかし 時は灯りをともし
道は仄めく春であり
僕は足元のピンコロ石に
つまづいてみたりする

すると 郷愁の歌のなかで
ただ季節の風ばかりが
僕の手を引くように・・・

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