見出し画像

【詩】嫉妬

蜘蛛の糸に絡まった
僕の右足が
汀の波にのまれて
深い沈黙に沈んでいく

明滅する灯は
僕の陰影をゆらして
したたかな雨が薫り
僕をけしかけるように
泥濘をつくっている

しかし僕は黒い道に立ち 
雨が雪に変わり
結晶が肺を満たして
凍えながら眠りにつくような 
心地良い冬の微睡みを
羨んでやまない

今夜の雨は冷たいというのに 
それでも雪にはならないのです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?